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本学科の研究者がエビ・カニ類では世界初となる自家受精する種を発見・公表!

自家受精するタナイス目甲殻類(多様性生物学講座I:角井敬知博士)
タナイス目に属する小型甲殻類の研究を続けている角井敬知博士(多様性生物学講座I所属)が、軟甲綱初となる自家受精種を発見、論文として公表しました。
自家受精は、同時的雌雄同体(体内にオスとメスの生殖器官を同時に持った状態)の個体が、自身の精子と卵を受精させる生殖様式で、甲殻類ではこれまでカブトエビ類(鰓脚綱)やフジツボ類(蔓脚綱)から報告されていました。軟甲綱は、エビやカニ、シャコ、ワラジムシといった、一般にも馴染みのある動物が含まれる22,000種類からなる甲殻類最大のグループですが、これまで自家受精種は知られていませんでした。
タナイスも軟甲綱に含まれる動物です。今回角井博士は、名古屋港水族館で見つけた同時的雌雄同体のタナイスの一種について、走査型電子顕微鏡を用いた外部形態の観察、組織切片の観察による内部形態の観察、単離・継代飼育、卵発生過程における染色体動態の観察を行い、本種の生殖様式を調べました。その結果、同タナイスが単独で子孫を残すことが出来ること、その際、自家受精を行っていることを明らかにしました。
今回の成果は、タナイス類の生殖様式の多様性の一端を明らかにするものであると同時に、造雄腺ホルモンにより調節される軟甲綱の性分化機構の理解に役立つことが期待されます。
以上の研究成果は、多様性生物学講座IIIの卒業生である蛭田千鶴江博士との共同論文として、総合学術誌Naturwissenschaftenに掲載されています。
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自家受精が明らかとなったタナイスの一種(Apseudes sp.)

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