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相馬雅代先生が文部科学大臣表彰の若手科学者賞を受賞しました!

行動神経学系の相馬雅代准教授平成27年度の文部科学大臣表彰の若手科学者賞を受賞しました。我々の学科では2年前に生殖発生学系の黒岩麻里先生も同じ賞を受賞されていて、それに続く快挙となりました。表彰式は、平成27年4月15日(水)文部科学省講堂にておこなわれました。

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文部科学大臣表彰は、「科学技術賞」「若手科学者賞」「創意工夫功労者賞」「創意工夫育成功労学校賞」を含みますが、このうち「若手科学者賞」は高度な研究開発能力を有する若手研究者(40歳未満)を対象としています。今回受賞された相馬先生の研究テーマは「生活史と性淘汰から考える歌鳥のさえずり進化の研究」です。以下、相馬先生ご本人による研究内容の説明です。

 

「生活史と性淘汰から考える歌鳥のさえずり進化の研究」

鳴禽類の歌(さえずり)は、コミュニケーションの礎となる認知機能がいかに進化したかという点と、華やかで複雑なオスの装飾的形質がなぜメスに好まれ進化してきたかという点、2つの生物学上重要な問題が交差する研究課題です。鳴禽類の歌の進化が、その華麗さによって、ダーウィンに遡る頃から注目を集めてきたにも関わらず、いまだ謎を多く残している一つの理由は、その学習性にあるといっていいでしょう。どのような表現型形質も、遺伝と環境の相互作用の産物であることは同様ですが、歌の場合には、社会学習によって獲得される行動であるため、他の身体的な形質と比して、発達と社会環境の影響が表現型を大きく左右します。行動の進化を明らかにするためには、究極要因(機能・系統進化)と至近要因(メカニズム・個体発生)との両者の観点が必要である、といみじくもティンバーゲンは述べていますが、鳴禽類の歌進化をひもとく鍵は、学習に関わる個体発生(または生活史)要因とその機能への影響にあるのではないでしょうか。一連の研究では、このような視点から生活史と歌発達・歌学習の関係を明らかにしました。

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音を学ぶという発声学習能力を有する動物は、ヒトや歌鳥を含めてそれほど多くはありません。よって、本研究から得られる示唆は、単に鳥のコミュニケーションの進化を説明するにとどまりません。つがい形成と両親育児のような生態学的特徴は、系統的には大きく隔たったヒトにも共通のものであり、家族を核とする鳥類のコミュニケーション行動とその認知的基盤の進化的意義の解明は、私たち人間の認知能力の進化の理解にも寄与すると期待しています。

 

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