お知らせ

トピックス

勝先生がカリフォルニア大学のBaker教授とともにPNASにletterを発表しました

生殖発生生物学系の勝義直教授がカリフォルニア大学のBaker教授とともにletter形式の論文を発表しました。PNAS誌においてすでに発表された論文について、進化的観点から考察を加えたものです。以下、勝先生による解説です。

FiorらはPNAS誌上で、ゼブラフィッシュにおける異種移植はガンを治療するためのオーダーメイド医薬品を開発するための有望な方法である事を示しました(PNAS 114 [39]: E8234-E8243)。これは、ヒトの癌をゼブラフィッシュに移植して癌治療のための薬を開発するために有効な手法であると考えられます。しかしながら、私たちはゼブラフィッシュのミネラルコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor, MR)がヒトのMRとは対照的にプロゲステロンによって活性化(転写の活性化)されることを見出しました。この実験証拠に基づいて、私たちはFiorらの論文のステロイド依存性腫瘍を研究する方法には注意すべき点が含まれると考えています。要するに、ゼブラフィッシュにヒトの腫瘍移植を行う実験では、ゼブラフィッシュの生体内におけるプロゲステロン合成がゼブラフィッシュのMRを活性化し潜在的に移植されたヒトの腫瘍の生理的状態を混乱させることにつながる恐れがあることを示唆しています。

また、私たちはゼブラフィッシュMRのプロゲステロンによる活性化に関する詳細な解析を行っており、その結果は現在論文を投稿中であるとともにBioRxivに掲載しています(Katsu Y, Oka K, Baker ME [2018] Evolution of steroid specificity in human, chicken, alligator, frog and zebrafish mineralocorticoid receptors: Allosteric interactions affect steroid specificity. bioRxiv doi:10.1101/151233.

発表論文:Yoshinao Katsu and Michael E. Baker (2018) Progesterone activation of zebra fish mineralocorticoid receptor may influence growth of some transplanted tumor. PNAS (https://doi.org/10.1073/pnas.1802441115)

 

前の記事:
次の記事: