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「環境ストレスと進化」 伊藤秀臣先生のインタビューが北海道新聞に掲載され ました

伊藤秀臣先生を取材した記事が、北海道新聞4月4日付け夕刊に掲載されました。
ぜひこちらの記事をご覧くださいOnsen-doshin.jpg(北海道新聞許諾番号D1104-1110-00007368 )。

生物のゲノムDNAには、遺伝子の他にも重要な領域が存在し、その一つに「トランスポゾン」と呼ばれる配列があります。ウィルスが起原とされるレトロトランスポゾンは、遺伝子と同じくRNAに転写された後、再びDNAとなってゲノムの中へ転移し、遺伝子を変異させる原因となります。そのため普段は「RNAに転写される段階」と「ゲノムに転移するまでの段階」の二重のロックで抑えられていると考えられています。

伊藤先生の研究では、シロイヌナズナを温度の高い環境に置くと、ロックの一部が外れて活性化するようになるトランスポゾンが見つかり、「ONSEN」と名付けられました。さらに、ウィルスに対する防御機構の一部が働かないようにした植物では、高温環境でONSENトランスポゾンから転写されるRNAが一時的に増えることがわかりました。

このようにしてONSENトランスポゾンの制御が緩くなった植物から、子孫を作って調べたところ、ゲノム中にONSENが転移しているのが見つかりました。また、ONSENの転移先には何かの遺伝子がある場合が多いことがわかりました。転移によって遺伝子が変異することで、高温環境に強い子孫が現れる可能性があると考えられます。

この研究により、植物では暑さなどの環境ストレスがトランスポゾンの転移を引き起こすことが発見され、その制御機構の一端も実証されました。トランスポゾンの転移を介したゲノム構造の変化は、環境ストレスに適応して植物が進化する仕組みの一つとして大きく注目されています。

Natureに発表された本研究成果は前回のニュースでも紹介しています。

またこの研究をどのように進めたかなど、伊藤先生自らによる解説記事もこちらよりぜひご覧ください。

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