“知識はごはんです” 綿引雅昭 准教授

研究分野・テーマ・内容

研究分野 細胞分子生物学
研究テーマ 植物形態形成のしくみを探る

研究内容

窓辺の鉢植えの葉や茎が、外に向かっているのに気がついたことがありますか?この身近な現象(光屈性)は、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが1880年に「The Power of movement in plants」と題した著書の中で詳細に報告しています。植物の屈性を引き起こす要因としては、重力(重力屈性)や、光(光屈性)、湿度(水屈性)、熱(熱屈性)、機械刺激(接触屈性)、化学物質(化学屈性)がこれまでに報告されています。その中でも重力屈性と光屈性の研究が歴史も古く、最もよく理解されています。近年になって、どちらの屈性もオーキシン(IAA,インドール酢酸)という植物ホルモンが関与していることがわかってきました。低分子化合物のオーキシンは組織内で濃度勾配を作り、それに従った成長量の違いが屈性現象を引き起こします。このような知見は、生理学的手法と遺伝学的手法によって明らかにされてきました。やがてオーキシンは屈性だけではなく、植物の成長すべてにかかわっている重要な植物ホルモンということがわかってきました。
植物は食料源として、また地球環境の維持に非常に大きな役割を果たしています。その植物の発生過程を理解することは今後ますます重要になるでしょう。私たちは植物ホルモン「オーキシン」がになう形態形成について研究を行っています。

メッセージ

 植物は「もっとも身近に感じる生き物かもしれません。花や木を見て心を奪われ、ロマンを感じる人も多いと思います。そのように感じるのは人だけではなく、獣であった太古からあった感情かもしれません。科学技術の進歩により植物の成り立ちがより詳細にわかるようになって来ました。そして研究が進むにつれ、すばらしい植物の知恵に驚かされ、新しい疑問が湧いてきます。今この時代において、美しいものの最先端を研究し理解するということはとてもロマンチックなことではないでしょうか。みなさんも植物の素敵な一面を研究してみませんか?

参考文献・論文・著書

  • ・「もやしもん」、石川雅之、講談社
  • ・「ブラックジャック」、手塚治、秋田書店
  • ・「風の谷のナウシカ」、宮崎駿、徳間書店
  • ・「生命とは何か―物理的にみた生細胞」、E.シュレーディンガー、岩波新書 青版