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理学院長からのメッセージ

 北海道大学大学院理学院長寺尾宏明

 北海道大学大学院理学院へのご入学、おめでとうございます。理学院教員とともに、心からみなさんを歓迎します。 みなさんは、それぞれの目標を持って大学院への進学を決めたことと思います。本理学院の前身である理学研究科に57年前に入学されたみなさんの大先輩である鈴木章先生のようにノーベル賞を取ってやろうという壮大な夢をもっておられる方もいるでしょう。それぞれの高い目標を持って、理学院での大学院生活を送って下さい。

 本理学院は、北海道大学大学院の教育組織で、数学・物性物理学・宇宙理学・自然史科学の4つの専攻から成っています。そして、この4専攻で教育にあたる教員の多くは、北大の研究組織である理学研究院に所属していますが、それ以外にも、電子科学研究所・低温研究所等に所属している先生方もいます。理学院の教育は、第一線の現役の研究者によって担われています。

 本理学院の英語名は、Graduate school of science となっています。science の訳語としては「科学」が一般的ですが、「理学」は別の訳語で、明治時代には、理学=science=科学という等式が成立していたようです。現在は、社会科学・人文科学のように「科学」という言葉の守備範囲は拡がっていますが、「科学」の方法論は「理学」の方法論をそのモデルとしていると言っても過言ではありません。では、「理学」の特性とは何でしょうか?これは私が数学者だからかも知れませんが、「理学」を「理学」たらしめているのは、学問の対象ではなく、学問の方法論だと思っています。つまり、実験や証明などのきちんとした検証があって初めて科学的真理として確立される、という考え方が、科学=理学の基本をなすプリンシプルだと思います。逆に言えば、検証されていないものは仮説・予想でしかないということです。偉い人が言うから信じる、というのは理学的ではありません。ひとりひとりの研究者が、自分の頭で考え、実験し観察して、得られた一点の曇りもない理解のみが、研究者を幸福にするのです。

 理学院には、その分野で世界のトップクラスの研究者の先生方がたくさんおられます。優れた先生方の指導の下、自らの専攻する分野において、先人の豊かな学問的蓄積を自分の中に取り込むことが大切なのは言うまでもありません。そして、最先端の研究現場に元気よく飛び込んで下さい。みなさんが有益な智恵と知識を本理学院で得て、各自の目標を実現されることを願っています。そして、理学院では、そのための教育を提供します。一緒に頑張りましょう。

平成23年4月 北海道大学大学院理学院長 寺尾宏明

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