雌阿寒岳2006年3月21日噴火の調査
2006年3月21日早朝,北海道東部の雌阿寒岳が小規模な噴火を起こしました.
この噴火により,雌阿寒岳およびその周辺で,ごく小規模な降灰と泥流が観測されました.
我々,北大の岩石学・火山学研究グループは,各関係機関と共同のもと,噴火調査を行いました.

概要は,末尾の「北海道防災会議資料」からご覧下さい(関係機関のリンクもご覧ください).
降灰の現地調査 (2006.3.22-3.24)
北海道防災会議地震火山対策部会火山専門委員会 (2006.3.28)
北海道立地質研究所(各関係機関へのリンクもございます)
北海道立地質研究所および釧路地方気象台と共同で降灰調査を行いました.
主に国道240号線沿いにおいて,降灰の分布と量を調査し,降灰試料を採取しました.
地域の住民の方々には,私有地内の観察や聞き込み調査のご協力をいただきました.ありがとうございます.
家屋の壁に吹きだまった降灰(釧路市上飽別)
灰色の斑点部分が火山灰です
屋根に降り積もった火山灰
各地点で,雪上に積もった火山灰を採取し(左写真は釧路市上飽別),

これらを室内に持ち帰り,顕微鏡による観察や降灰量の定量を行いました.
映像 (wmv形式)
降灰採取:釧路市上飽別・恩根内橋付近 (8.4MB)
降灰域から雌阿寒岳を望む:飽別第一 (10.9MB)
配布試料(PDF)
噴火前と噴火後の空中写真
噴火前(北海道開発局のヘリで中川光弘撮影)
噴火写真(北海道防災消防のヘリで中川光弘撮影)
南西側から望む火口群.(奥には阿寒湖と雄阿寒岳)(2004年6月2日)
手前が赤沼,奥が青沼.今回の噴火は手前側から発生しました.
(2004年6月2日)
2006年2月19日.平穏な雌阿寒岳.(山頂部の白色は噴気ではなく雲です)
噴気も比較的少ない.(2006年2月19日)
噴気を上げる外壁の新火口(▼印の上)と赤沼火口.新火口から泥流(黒いスジ)
が発生している.左奥は阿寒湖と雄阿寒岳.(2006年3月21日)
南東側から火口を望む.黒色(左:外壁由来)と灰白色(右:赤沼由来)の2種類の降灰が確認できる.(2006年3月21日)
泥流の行き先は雌阿寒温泉にあたるが,ごく小規模であったため途中で消滅.(2006年3月21日)
噴火から約1週間後の火口(2006年3月27日).噴火後も火口周辺に微量の火山灰を放出.