Q&A

地震や火山についての様々な疑問に当センターのスタッフがお答えします。

地震火山研究観測センターでは、皆様からの質問を受け付けています。
質問内容とお住まいの市町村名、職業、年齢を明記の上、isv-web★mail.sci.hokudai.ac.jp宛にメールしてください。
※メールを送る際は星印を@に変えて入力してください。
また、質問への回答は遅くなる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 

地震に関する質問

の文章をクリックすると答えが表示されます。

どのくらいの震度(しんど)で、物がたおれたり、落ちたりするのですか(Q52)

ひとつのところで地震がおこると、他のところでも地震がおきるのですか(Q51)

地震計は最高でどのくらいの大きさをはかれるのですか?(Q50:北広島市・13歳・ヒサさん)

地震雲ってあるのですか?素朴すぎてすみません。(Q48:恵庭市・35歳・いくおさん)

今まで起きた地しんの中で、一番大きい地しんは、マグニチュードいくつなのですか?(Q47)

地震と言うものは、そもそも何のためにあるのですか。どこからきているのですか。(Q46:16歳・ひかるさん)

地震はどのようなところで起きるのですか?(Q45:12歳・まいさん)

阪神淡路大震災を経験しましたが、当時は震度7などと報道されました。過去に起こった地震の中で最も大きかった震度はいくつですか?(Q44:大阪市・なおきん、ひときんさん)

北海道内陸部での地震は少ないですが、起きたらどのくらいの規模で起こるのですか?(Q43:江別市・18歳・たかひろさん)

波の地震は、ギターの弦のように、振動数を変えたり、大きさを変えたりすることはできないのですか。また、振動数によって地震の感じ方はどのようになりますか。(Q40:札幌市・19歳・Dr.Dさん)

今後起りそうな地震と場所はどこですか?(Q38:小樽市・15歳・レイラさん)

地震が頻繁なのは何故ですか?(Q37)

地震が来た時にまず何をしたらいいですか?(Q36)

昔に聞いた話なのですが、札幌付近にも活断層があり、地震が発生した時に被害を受けるという話を聞いたことがありました。それは、いったいどれくらいの被害が予想されるのでしょうか?(Q32:江別市・もたろさん・20歳)

地震計ですがだまっててもうごくんですけれどもなぜですか?あとまっすぐの線ではないのはなぜですか?いえがちかいのでいつも楽しみにきています。(Q31:札幌市・8歳)

じしん(地震)ってなんでゆれるの?(Q30:札幌市・6歳)

活断層の定義は?(Q29:札幌市・女性)

将来的に地震の予知(報)はどのくらいの精度でできると見込まれていますか。(Q27:札幌市・39歳)

そとであるいていたときにじしんはかんじるんですか?(Q25:札幌市・8歳)

地震が起こる時天候が晴れの時が多い様に思います。偶然でしょうか。(Q24:大阪・65歳)

地震計は、どの距離まで計れるのか知りたいです。(Q23:小樽市・ゴンタさん・13歳)

地震(じしん)の時に、ゆれている大きさはどのようにわかるのですか。(Q22:函館市・9歳)

地震の前ぶれとして夕日が真っ赤だったり、動物がおちつきがなくなったりは聞いた事がありますが、わかりやすい自然現象があったら知りたいです。(Q21:札幌市・カマタさん・39歳)

8月14日の地震発生域とフォッサマグナを境にした地域分布が似ているように思いました。オホーツクプレートが大きく動くと、どのような影響があるのですか。 また、このように震源地と反対側の列島で広範囲に地震が起こるのは、 震源が深いことが関係していますか。(Q18:江別市・男性)

東経138度~143度 北緯43度~45.5度のエリアについて、過去15年間の深さ30km以浅・M4以上の地震の発生を調べてみると、2007年頃から顕著な静穏化傾向がみえるように思えました。太平洋沖地震発生前の4年間や、日本海中部地震の直前の5年間にもそのような静穏化期間が出現したと聞いています。また日本海東縁プレート境界が活動するのでしょうか?知人の家族が北海道にいるため、とても心配しています。(Q17-2:大阪市・自営業・48歳)

6月頃から、北海道北部西岸~石狩・札幌、大雪山系の山々のエリアあたりまでを含む領域で、地震活動が低下しているようにみえました。特に7月からはさらに地震数が低下していて、札幌市周辺などは小さな地震もほとんど起きてないような状態にあるようにみえます。そのような中で、十勝岳の硫黄流動や宗谷での地震が発生しました。 広域的な応力が増加しているのでしょうか?(Q17-1:大阪市・自営業・48歳・男性)

地震は、予測できるようになりますか??日本は、大丈夫ですか??(Q16:京都市・11歳)

最近、留萌沖と伊豆諸島付近にある第二種地震空白域に警戒が必要と言っている人がいるようですが、実際にそれらの海域に第二種地震空白域があるのでしょうか?(Q15:札幌市・会社員・40代)

「この土地で地しんが80年以内におこる」というのがありますが、それは科学的にけんしょうしているのでしょうか?それに言ってる人によってちがうのですがどうしてですか?(Q12:兵庫県・12歳)

最近注目され始めた500年間隔地震も他の地震同様、毎回その規模が変わっていると考えるのが自然ですが、500年間隔地震の中で最も大きな地震の震源域とそのマグニチュードがどの程度か解っているのでしょうか?(Q11:札幌市・40代)

地震発生時、発光現象がよくみられるそうですが、近頃では地震兵器のプラズマでは?との都市伝説も囁かれているようです。科学的に解明すると、どのようにして発光現象が起きるのでしょうか?(Q9:札幌市・女性)

余震は、本震の破壊域(すべり域)の破壊せず残った部分(割れ残り部)に起因するとされておりますが、3月11日のM9についても、震源断層のメカニズム解析で、3月9日の(最大)前震・3月11日の本震・それ以降のM7前後のいくつかの余震などの破壊領域はラップしていないと言えるのでしょうか?(Q8:札幌市・会社員・61歳)

北海道太平洋側の400~500年周期の連動型地震の発生について、M8前後を繰り返す複数の領域が400~500年毎に「同時に歪みエネルギー蓄積が満期になる」ため起こるのでしょうか?または、個別領域の満期とは無関係に(2003年十勝沖のような比較的最近発生した領域も含め)起こるのでしょうか?(Q7:札幌市・会社員・61歳)

地震の「マグニチュード」と「震度」とはどのように違うのでしょうか?(Q3)

火山に関する質問

Qの文章をクリックすると答えが表示されます。

Q I've heard that Mount Fuji may erupt in coming decades, according to the news. Is it true?(Q53:台湾)

Q 海の中の火山は、なぜ火が出るのですか。また火が出ると、海水は温かくなりますか (Q50:札幌市)

Q 博物館の展示は大変見応えのあるコーナーでした。釧路に住んでいますが、阿寒岳が噴火する可能性はありますか?(Q41:釧路市)

Q マグマが爆発的に噴火した際、マグマは最大どこまで流れるのですか?(Q39:音威子府村・31歳・シュレックさん)

Q 最近新しくできた小笠原の島はこのまま島になりますか?(Q34)

Q 最近活動が活発になってきた霧島周辺の火山が大規模な噴火をするようになった場合に、北海道ではどのような影響が想定されますか?(Q28:札幌市・35歳)

Q 阿蘇山の展望台に登っている人全員の髪の毛が、不自然にまっすぐ上に立ちました。それは、なぜですか?(Q20:東京都・こまちさん・11歳)

Q 阿蘇山の火口の中にある水は、雨水だと聞きましたが、エメラルドグリーンに見えるのはなぜですか?(Q19:東京都・こまちさん・11歳)

Q 日本の一番高い山は富士山で、その富士山は火山で、いまでも活動していると聞きました。もし富士山がふん火したらひ害はどこまで、どのように出るのですか?どうすれば助かるのですか?(Q14:兵庫県・りんごさん・11歳)

Q 日本には温泉がたくさんあります。それは火山の力を利用しているものが多いと思います。ではなぜ、日本には火山が多いのですか?(Q13:和歌山市・15歳)

Q 地殻が移動したことによりマグマの出口が塞がれ、火山性の爆発が起きる可能性はないのでしょうか?(Q5:相模原市・自営業・61才)

Q 昔、学校で活火山・休火山・死火山と教わった記憶がありますが、最近はそのような分類をしていないと伺いました。何故でしょうか?(Q1)

津波に関する質問

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なぜ津波(つなみ)がおこるの?(Q42:札幌市・9歳)

韓国の仁川付近で満潮と干潮の差は8m~10mもあるという話を聞いた事があります。日本ではそんな大げさなと思いますがなぜでしょう?(Q35:草津市・59歳・女性)

陸と海はつながっているのに、陸での大きめの地震であまり津波がおきないのはなぜですか。陸で地震が起きたときでも津波は起きるのですか?(Q26:東京都板橋区・12歳)

過去の巨大津波の研究については襟裳岬より東についてはよく目にしますが、 襟裳岬より西や三陸北部はまず見かけません。これらは、自治体や企業が リスク対策を考える上で重要な情報だと思うのですが、現在どこまで 解っているのでしょうか?(Q10:札幌市・40代)

3月11日の地震により、被災地沿岸は約1m沈下し東南東に最大で5m程度移動したと報じられています。これらは地震発生直後の陸側プレートの地殻変動によると思いますが、津波シミュレーションでは考慮されていますか?また、沈下地域の防潮堤も地盤とともに約1m低くなるとすれば、津波に対する効果は減少したと考えるべきでしょうか?(Q6:札幌市・会社員・61歳)

釧路平野の昭和(海から3km弱)に住んでいます。「500年間隔地震が起きた場合、釧路に14.8mの津波が来る可能性がある」という新聞記事を読みました。釧路市の津波防災マップでは津波は5mと記載されていますが、被害が拡大する恐れがあるのでしょうか?大津波の場合には防災マップは信用できるのでしょうか?近くに高台がまったく無い場合はどこへ避難したらよいのでしょうか?(Q4:釧路市・主婦・29才)

海の下で大きな地震が起きると、なぜ津波が発生するのですか?(Q2)

その他に関する質問

Qの文章をクリックすると答えが表示されます。

Q マントルは何個層があるのですか。(Q49:18歳・きょうちゃんさん)

Q 海の下にある石は、りかの先生によるとかざんの石だと言っていましたが、あのでっかい石は海の下におちていたんですか?(Q33:札幌市・るったんさん・8歳)

 

回答

どのくらいの震度(しんど)で、物がたおれたり、落ちたりするのですか(Q52)

 まさに、震度は地動説により物がたおれたり、落ちたりすることの基準になるものです。


(震度4) 座りの悪いものは倒れることがあります。

(震度5弱) 棚にある本や食器が落ちることがあります。

(震度5強) 固定していない家具は倒れることがあります。

(震度6弱) 地震に弱い建物は傾くことがあります。

(震度6強) 地震に弱い建物は倒れることがあります。


震度の情報を防災対策に役立ててください。 



地震観測研究分野

 

ひとつのところで地震がおこると、他のところでも地震がおきるのですか(Q51)

大きな地震は、広い断層が断層面にそって、
大きく動くことによって発生します。

断層が大きく動くことによって、
その周辺の断層への力の掛かり具合が変化してしまいます。

その結果、周辺の断層は、動く危険が増すところもあれば、
危険が遠のく場合もあります。

危険が増した断層では、
大地震が発生する可能性は高くなります。


地震観測研究分野 

地震計は最高でどのくらいの大きさをはかれるのですか?(Q50:北広島市・13歳・ヒサさん)

地震計には多くの種類があり、その用途によって測定できる限界の量も変わってきます。例えば、人間に感じない非常に小さな地震を調べるための地震計は非常に小さな揺れを逃さないための地震計で、大きな地震の揺れは測定できません。対象的に、地震の揺れからその被害の大きさを知るための地震計は強震計と呼ばれ、家屋やビルが倒壊するような大きな揺れでも測定できるよう作られています。しかし、この強震計では小さな地震の揺れは測定できません。その他にも周期の長い地震の揺れまで観測するための地震計も存在します。つまり、研究者は研究の目的によって地震計を使い分けています。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎・2014年10月23日)

地震雲ってあるのですか?素朴すぎてすみません。(Q48:恵庭市・35歳・いくおさん)

 地震の前または地震の後、いつもと違う雲を目撃したとの証言は少なからずあります。しかし、現在、科学的に地震の発生と雲の発生を結びつけることは出来ていません。(地震観測研究分野・谷岡勇市郎・2014年10月6日)

今まで起きた地しんの中で、一番大きい地しんは、マグニチュードいくつなのですか?(Q47)

れきし上の記ろくでは、これまでで一番大きい地しんは1960年に南アメリカのチリという国でおきた「チリ地しん」で、そのマグニチュードは9.5です。この地しんで発生した津波は、1日かかって日本にもやってきています。
マグニチュード(M)とは、地しんで出されたエネルギーの大きさを表すあたいです。ただし、表し方が少し変わっていて、Mが0.2大きくなるとエネルギーは2倍、1大きくなると32倍、2大きくなると約1,000倍になります。したがって、1960年チリ地しんは2011年東北地方太平洋沖地しん(M9.0)の5~6倍のエネルギーを出したことになります。
2003年十勝沖地しん(M8.0)や2004年留萌地方の地しん(M6.0)に比べると、2011年の東北地方太平洋沖地しん(M9.0)や1960年チリ地しん(M9.5)がどのくらい大きかったのか、計算してみましょう。(地震観測研究分野・山田卓司・2014年10月6日)

地震と言うものは、そもそも何のためにあるのですか。どこからきているのですか。(Q46:16歳・ひかるさん)

 地震は、力を逃がすために起きる現象で、地球表面が変動していることに原因があります。 地球は、マントルという粘性の高い物質を、プレートと呼ばれる薄くて固い十数枚の岩盤が覆っているものです。食べ物に例えると、水あめ(マントル)の上に薄いチョコレートの板(プレート)が載っているようなものです。そして、マントルはゆっくり変動しており、その動きにつられてプレートも動いています。 北海道周辺では、南東側から太平洋プレートが進んできています。その速度は、1年間でおよそ8 cm程度です。そして、オホーツクプレートに属する北海道を押しながら、太平洋プレートは北海道の下へ沈み込んでいます。すると、オホーツクプレートは南東側から押されながら、さらに下方向へ曲げられます。このときに生じる力が耐えられないくらい大きくなると、オホーツクプレートが上方向へはね返ったり(太平洋側の大地震)、プレート自体が割れたり(内陸地震)します。 地震が起きることにより、地球の表面は力のバランスを保っているのです。
(地震観測研究分野・山田卓司 2014年9月12日)

地震はどのようなところで起きるのですか?(Q45:12歳・まいさん)

大きな地震の多くは地球をおおっているプレートがぶつかって、沈み込んでいる場所でおきます。日本列島はまさにそのような場所に位置しています。日本海溝や千島機構沿いではプレートが地球内部に沈みこんでおり、そこでは巨大地震が発生します。2011年東北地方太平洋沖巨大地震がその一例です。またその沈みこみの影響で、日本列島の内陸の断層にも力が加わり大地震が発生します。1995年兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)や2008年岩手宮城内陸地震がその例です。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎 2014年9月12日)

阪神淡路大震災を経験しましたが、当時は震度7などと報道されました。過去に起こった地震の中で最も大きかった震度はいくつですか?(Q44:大阪市・なおきん、ひときんさん)

日本の震度の階級は、阪神淡路大震災を経験し見直されました。それまでは震度6が最も高い震度階級でした。阪神淡路大震災によりはじめて最大震度階級7が設定されました。それ以後、日本で最大の震度階級は7と決まっており、それ以上の震度階級は存在しません。ただし、震度階級は国によって違いますので外国に行かれた時は気をつけてください。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎 2014年8月22日)

北海道内陸部での地震は少ないですが、起きたらどのくらいの規模で起こるのですか?(Q43:江別市・18歳・たかひろさん)

国や北海道では、地震活動、構造調査、活断層調査から、どうような内陸大地震が起こりそうかを想定しています。北海道では「北海道地域防災計画(地震・津波防災計画編)としてhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/ktk/bsb/bousaikeikaku_jishintsunami.htm
に想定された内陸地震を掲載しています。断層の長さによって規模も変わってきますが、現在北海道で想定されている活断層で発生する内陸地震はM8程度です。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎 2014年8月22日)

波の地震は、ギターの弦のように、振動数を変えたり、大きさを変えたりすることはできないのですか。また、振動数によって地震の感じ方はどのようになりますか。(Q40:札幌市・19歳・Dr.Dさん)

地震により発生する地震波の振動数はまず、その発生もとである地震(断層運動)の大きさによります。一般的に大きな地震は大きな周期(少ない振動数)の波を多く出します。次に発生した地震波は、震源から人が地震動を感じる場所まで伝わっていく訳ですが、その伝播途中の地下構造の影響を受けて振動数も変化します。特に地表近くの地下の構造の違いの影響を受けます。同じ場所で地震を感じれば普通は大きな地震による揺れはゆっさゆっさと長時間にわたって揺れ、小さい地震の場合は周期の短い(振動数の多い)揺れを感じることになります。
また、高い建物の中に居る場合はその建物が振動しやすい振動数の地震波が地下から伝わってきた場合は大きく振動することになりますので、建物の揺れやすさも人が地震動をどのように感じるかに影響します。)
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎・2014年6月30日)

今後起りそうな地震と場所はどこですか?(Q38:小樽市・15歳・レイラさん)

国や北海道では、過去の巨大地震の履歴、微小地震活動調査、構造調査、地質学的な調査から、どうような大地震が起こりそうかを想定しています。北海道では「北海道地域防災計画(地震・津波防災計画編)」としてhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/ktk/bsb/bousaikeikaku_jishintsunami.htmに大地震や津波を想定しています。基本的には、千島海溝沿いで発生する巨大地震、日本海側の巨大地震、内陸の浅い大地震(活断層で発生する地震)です。詳しくは上記の北海道HPを参照してください。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎 2014年6月12日)

地震が頻繁なのは何故ですか?(Q37)

 北海道周辺で、気象庁が観測する地震は1ヶ月に千数百個あります。マグニチュード3以上の地震を見ても1ヶ月に数十個は発生しています。その中、北海道で有感になる地震は1ヶ月十数個です。それらの地震活動は気象庁により監視されており、現在、北海道全体の地震数が増加している状態ではありません。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎 2014年6月12日)

地震が来た時にまず何をしたらいいですか?(Q36)

一番大切なのは、身を守ることです。物が落ちてきたり、倒れてきたり、飛んでくることによってけがをしたり、命を落とすことのないように、体を守りましょう。
地震を感じたときに、自分がどのような場所にいるかによって机の下に隠れる、物が来ない場所に移動する、など具体的な行動は変わります。
ですから、ふだんから、いざというときに命を守るためにはどのような行動をしたら良いか、考える習慣を持つことも大切です。(地域防災情報支援室)

昔に聞いた話なのですが、札幌付近にも活断層があり、地震が発生した時に被害を受けるという話を聞いたことがありました。それは、いったいどれくらいの被害が予想されるのでしょうか?(Q32:江別市・もたろさん・20歳)

札幌市周辺では、地下に埋もれた活断層を探すため、さまざまな調査が行われていて、直下型地震を引き起こす活断層が隠れている可能性が高いことがわかっています。札幌市役所ではこれらの調査結果をまとめ、地震を起こす可能性のある活断層として、西から野幌断層、月寒断層、西札幌断層と3本の断層を想定しています。つまり、札幌市ほぼ全域が活断層の上に位置していることになります。

札幌市では、普段は揺れを感じるような地震は少ないのでついつい安心しがちですが、実際は大地震が襲う可能性が高い場所です。地層に残された液状化のあと調べると、過去に幾度も強い揺れに襲われたことがわかっています。自然災害はかならず繰り返します。現在でも、活断層の活動を示唆するような体に感じないような小さな地震は、たくさん発生しています。

想定されている断層で地震が発生すると、最大震度7をはじめ札幌市のほぼ全域を非常に強い揺れが襲うことになります。札幌市役所の想定結果によると、最悪のケースで死者8,234名、建物の全壊が33,611棟、火災314件のほか、地盤の弱い場所では液状化や地すべりの発生も予想されています。

札幌市役所では、地震に対する様々な対策を行っていますが、一番大切なのは市民の皆さんの日頃からの心がけです。屋内の家具の配置の見直し。固定、建物の耐震化等の対策で被害を大幅に減らすことができます。たとえば、部屋の家具の数を減らすことで、人的被害が大きく減ることがわかっています。寝室にたんすを置いている方は家具の配置を見直してみてください。会社の書類棚は壁に固定されていますか?お家の耐震性に不安のある方は区役所に相談してみてください。また、北海道で注意しなければならないのは、冬季の対策です。地震の揺れでは生き延びても、寒さで命を落としてしまう可能性があります。これらのことも念頭において、地域の特性にあわせた防災対策を検討していくことが必要です。(地震観測研究分野・高橋浩晃)

地震計ですがだまっててもうごくんですけれどもなぜですか?あとまっすぐの線ではないのはなぜですか?いえがちかいのでいつも楽しみにきています。(Q31:札幌市・8歳)

駅のホームで電車を待っていると、電車が近づいてきた時にホームが揺れたけいけんはありますか?バスを待っている時などに、近くを大きなダンプカーが通ると、地面が揺れるのを感じますよね。
実は、地震が起きていない時でも地面は絶えず揺れています。その原因は、車だったり電車だったり、また遠くの人が歩くことによっても地面は小さく揺れています。
地震計は、このようなものすごく小さな地面の動きもとらえるので、地震がないときでもまっすぐな線にならないのです。
家が近いのですね。10年後に8歳くんが北大の学生となることを楽しみに待っています。(地震観測研究分野・山田卓司)

じしん(地震)ってなんでゆれるの?(Q30:札幌市・6歳)

6歳くんは、わりばしを使ったことはありますか?わりばしを使うときは、先の方を持って左右にひらいてわりますよね。そのとき、「ピキピキ」とか「パシッ」という音がしてわれませんか?これは、ひっついていた左右の木がはがれるときに、空気をゆらしていて、その空気のゆれが音として聞こえるのです。じしんでじめんがゆれるのも、にたようなことがおきているからです。
じしんは、地下のいわがちからにたえられなくなって、いわといわのひっつきがよわいところ(わりばしでいうと、左右の木がひっついているせんのところ)がずれうごくことによっておきます。このとき、まわりのいわをゆらすのです。そのゆれがちじょうまでつたわって、じめんをゆらします。(地震観測研究分野・山田卓司)

活断層の定義は?(Q29:札幌市・女性)

 我が国の地震調査研究を一元的に進めている国の地震調査研究推進本部によりますと「活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動することが推定される断層のことである。最近の地質時代としてどこまでさかのぼるかであるが、「新編日本の活断層」では、第四紀(約200万年前から現在までの間)に動いたとみなされる断層を活断層と定義している。しかし、さかのぼる年代を数十万年前位とする研究者もいる。」となっています。日本列島には無数の活断層があり、札幌市直下にも埋もれた活断層(伏在断層)があると推定されていて、地震を起こすと震度7の非常に激しい揺れになることが札幌市役所が行った予測からわかっています。日本に住む以上はどこでも大きな揺れの可能性があると考えて、対策を取っておくことがとても大切です。(地震観測研究分野・高橋浩晃)

将来的に地震の予知(報)はどのくらいの精度でできると見込まれていますか。(Q27:札幌市・39歳)

実際に現在予測が可能になっている地震もあります。

例えば、「岩手県釜石沖の繰り返し地震」(http://www.aob.geophys.tohoku.ac.jp/~uchida/KM.html)です。M5程度の小さい地震ですが、非常に規則正しく発生するので次の地震の時期を予測することができます。

それから、大地震の後に気象庁から発表される「余震の見通し」(http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/aftershocks/mitoshi_aftershock.html)です。

気象庁では余震の発生確率を計算(http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/index_aftershock.html)して「余震の見通し」を発表しています。余震は、大森公式という「法則」にしたがって発生することが分かっているので予測が可能なのです。つまり、地震が発生する原因や法則を知ることができれば、おのずと予測も可能になるはずです。

このような考えに基づいて、現在、研究者は地震をより詳しく理解するための研究を地道に続けているので、時間はかかるかも知れませんが、予測可能な地震は徐々に増えて行くと思います。(地震観測研究分野・勝俣 啓)

そとであるいていたときにじしんはかんじるんですか?(Q25:札幌市・8歳)

かんじるときと、かんじない(きづかない)ときがあります。大きなじしんのばあいは、そとであるいていてもかんじます。ゆれそのものをじぶんがかんじなくても、でんせんが大きくゆれたり、たてものがゆれる音やガラスがガタガタいう音などできづきます。ときには、ガラスがわれる音や、大きなゆれにびっくりしたひとの「きゃー」というこえできづくこともあるかもしれません。
そとで大きなじしんをかんじたときは、(1)へいなど、たおれてくるとけがをするようなものからはなれる、(2)上からおちてくるものがないところにひなんすることがたいせつです。ビルのガラスがわれておちてくることがあるので、よこだけでなくうえにもちゅういしましょう。しかし、急にくるまのはしっているどうろにとびだすと、こうつうじこになることもあるので、あわてないこともたいせつです。(地震観測研究分野・山田卓司)

地震が起こる時天候が晴れの時が多い様に思います。偶然でしょうか。(Q24:大阪・65歳)

地震は、一般に地下の数キロメートルから数百メートルの深さで起きます。一方、天気は、地表から高さ約11キロメートルまでの対流圏と呼ばれる範囲における、地球表面の水の蒸発や空気の流れに左右される現象です。現象が起きている場所が違いますし、地震と天気を左右する力や物理機構が異なるので、直接の関連があるとは考えにくいと思われます。(地震観測研究分野・山田卓司)

地震計は、どの距離まで計れるのか知りたいです。(Q23:小樽市・ゴンタさん・13歳)

地震計は非常に揺れに敏感で、人間が感じない微小な揺れも記録することができます。確かに、遠くの小さい地震による揺れは計りにくです。しかし、例えば被害が発生するような大きな地震が起きると、地球の反対側にある地震計でも、揺れが観測されます。地球の内部の構造は、このような遠くに伝わる地震の波を調べることによって、わかるのです。(地震観測研究分野・山田卓司)

地震(じしん)の時に、ゆれている大きさはどのようにわかるのですか。(Q22:函館市・9歳)

ゆれの大きさは、震度(しんど)ということばで表されます。地震(じしん)のあとテレビでよく出てきますね。地震(じしん)が大きいほどゆれが大きいことになります。昔(むかし)は、人間がどう感じたかで、ゆれの大きさを決めていました。たとえば、部屋の中で静(しず)かにしていた人だけが感じるようなゆれなら震度(しんど)2、歩けないくらいのゆれなら震度(しんど)5という感じです。
ゆれの大きさは、たとえば天井(てんじょう)からつり下がっている電燈(でんとう)のゆれからもわかります。電燈(でんとう)がちょっとゆれるくらいなら震度(しんど)2、激(はげ)しくゆれるようなら震度(しんど)5といった具合(ぐあい)です。ゆれがだんだん大きくなれば震度(しんど)も大きくなる、ということです。
いまでは、人間にかわって、地震計(じしんけい)という機械(きかい)でゆれの大きさをはかっています。地震計(じしんけい)の中には、天井(てんじょう)からつり下がっている電燈(でんとう)のようなものが入っていて、そのゆれの大きさから震度(しんど)をはかっています。(地震観測研究分野・高橋浩晃)

地震の前ぶれとして夕日が真っ赤だったり、動物がおちつきがなくなったりは聞いた事がありますが、わかりやすい自然現象があったら知りたいです。(Q21:札幌市・カマタさん・39歳)

ご指摘のような前兆現象が地震の前に見られるという話は昔からあります。しかし、地震との関係は科学的には明らかにされていません。また、それ以外の自然現象についても、明らかに地震の前兆であったと認められる例はほとんどなく、生活の中で目にする自然現象から地震予知をすることは少なくとも現時点ではかなり難しいと言えるでしょう。このため、いつ地震が起こっても被害が最小限になるよう、日頃から防災対策をとっておくことがとても大切になってくるのです。(地震観測研究分野・高橋浩晃)

8月14日の地震発生域とフォッサマグナを境にした地域分布が似ているように思いました。オホーツクプレートが大きく動くと、どのような影響があるのですか。 また、このように震源地と反対側の列島で広範囲に地震が起こるのは、 震源が深いことが関係していますか。(Q18:江別市・男性)

今回の地震の震源はサハリンの東になります。地震の発生した深さは590㎞で非常に深いのが分かります。

 この地震は北海道や千島列島の太平洋沖から下に沈み込んでいる太平洋プレートの中で発生した地震と考えられています。このような深い地震(深発地震)が沈み込んでいるプレートの中で発生すると沈み込むプレートに沿って伝播する地震波の減衰が小さいので、震源はオホーツク側にあるにもかかわらず、北海道太平洋沿岸の震度がオホーツク側の震度よりも大きくなります。このような現象は深い地震が発生した時にはいつも起こります。(地震観測研究分野・谷岡勇市郎)

東経138度~143度 北緯43度~45.5度のエリアについて、過去15年間の深さ30km以浅・M4以上の地震の発生を調べてみると、2007年頃から顕著な静穏化傾向がみえるように思えました。太平洋沖地震発生前の4年間や、日本海中部地震の直前の5年間にもそのような静穏化期間が出現したと聞いています。また日本海東縁プレート境界が活動するのでしょうか?知人の家族が北海道にいるため、とても心配しています。(Q17-2:大阪市・自営業・48歳)

 これは2007年以前の地震発生数と比べて、2007年以降の地震数が「異常に」減少しているというご指摘ですね。A17-1でご説明した通り、地震の起こる回数は、多くなったり少なくなったり、ランダムに変動します。たとえ、2007年以降にまったく地震が起きなくなったと しても、それが「異常」であるかどうかは、統計学に基づいた「検定」をしてみないと判断できません。ランダムな変動の幅を越えて、「顕著に」減少しているかどうかは目で見た印象だけでは判断できません。
私は統計学に基づいて厳密に解析をしておりますが、現在北海道周辺で「異常な」静穏化傾向はまったく見られません。通常の地震活動レベルの範囲内に収まっています。
確かに積丹半島沖では1940年に地震が起きていますので、日本海東縁プレート境界で大地震が発生する可能性はゼロではありません。ただし、その確率は太平洋側のプレート境界に比べるとかなり低くなります。
あまり心配し過ぎて不安になりストレスで体調を崩す場合もあります。地震による被害よりも,そのような過剰なストレスの方が悪影響があると思います。日本海側の地震の確率は大変低いのであまり心配し過ぎないことが健康上大切だと思います。(地震観測研究分野・勝俣啓)

6月頃から、北海道北部西岸~石狩・札幌、大雪山系の山々のエリアあたりまでを含む領域で、地震活動が低下しているようにみえました。特に7月からはさらに地震数が低下していて、札幌市周辺などは小さな地震もほとんど起きてないような状態にあるようにみえます。そのような中で、十勝岳の硫黄流動や宗谷での地震が発生しました。 広域的な応力が増加しているのでしょうか?(Q17-1:大阪市・自営業・48歳・男性)

一般に地震活動は多い状態と少ない状態をランダムに繰り返しています。まったく地震が起きない時期や逆に地震が頻発する時期がランダムに現れます。ご指摘の地震活動の低下も、このようなランダムな変動の一つであり、特に異常な状態ではないと思います。
十勝岳の活動や宗谷地方の地震も偶然時期が近かっただけだと思いますし、広域的な応力増加とも関係ありませんので、どうかご安心ください。(地震観測研究分野・勝俣啓)

地震は、予測できるようになりますか??日本は、大丈夫ですか??(Q16:京都市・11歳)

地震が予測できるようになることを目指して、地震の発生に関わる基礎研究を実施しております。現在では何処でどの程度の地震が発生する可能性が高いかを知ることはなんとかできますが、地震直前予測を行うことはまだできません。

 日本は過去に何度も大きな地震及び津波を経験してきました。今回の東北地方太平洋沖地震もその1つでしょう。その毎に災害軽減の意識を高め、その改善策を実施してきた歴史があります。将来もそうでしょう。皆様にも今回の震災から学び、災害に強い社会を築けるよう行動していただければと思います。(地震観測研究分野・谷岡勇市郎)

最近、留萌沖と伊豆諸島付近にある第二種地震空白域に警戒が必要と言っている人がいるようですが、実際にそれらの海域に第二種地震空白域があるのでしょうか?(Q15:札幌市・会社員・40代)

地震活動の空白域には2種類あります。大地震が起こり得る場所であるが近年の大地震の震源域となっていない空白域が第1種で、大地震の前にその震源域内の小さい地震の活動が低下して生じた地震活動の空白域が第2種です。

 留萌沖では元々小さい地震があまり発生しないため第2種空白域か形成されているのかどうか判別することが非常に難しい場所です。一方、房総半島沖から八丈島沖にかけての日本海溝沿いでは、1990年以降地震活動度が低下しているという研究結果もあるので、第2種空白域の可能性があります。

 ただし、自然の地震活動は大きな地震の前ではなくても増えたり減ったりを常時繰り返していますので、空白域が形成されたからといって必ず大きな地震に結びつくわけではありません。

 なお、留萌沖や北海道北西沖で発生する可能性のある想定巨大地震による津波の被害予測は、北海道により実施されております。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/ktk/seika.htm

をご参照ください。(地震観測研究分野)

「この土地で地しんが80年以内におこる」というのがありますが、それは科学的にけんしょうしているのでしょうか?それに言ってる人によってちがうのですがどうしてですか?(Q12:兵庫県・12歳)

日本のまわりでは、太平洋がわの海で大きな地しんが多くおきます。これは、プレートとよばれる固い岩の板が日本の下に入っていくときに、大きな力がかかるからです。

過去の歴史を調べると、このような地域では大きな地しんがくりかえし何回もおきていたことがわかっています。だいたい何年に一回おきたのかがわかるので、いちばん最近おきた地しんがいつおきたのかを調べると、次の地しんがすぐ起きそうかどうかがわかります。

しかし大きな問題は、同じ大きさの地しんがいつも同じ時間ごとに同じ場所で起きているわけではないことです。ときどき、予想よりもずっと大きな地しんがおきたり、次の地しんまでまだ時間があると思っていたのに予想より早くおきてしまったりすることがあります。
どのくらい予想よりずれることがあるのかをしっかり調べて、今よりもよく当たる予想ができるように、私たちは努力しています。(地震観測研究分野・山田卓司)

最近注目され始めた500年間隔地震も他の地震同様、毎回その規模が変わっていると考えるのが自然ですが、500年間隔地震の中で最も大きな地震の震源域とそのマグニチュードがどの程度か解っているのでしょうか?(Q11:札幌市・40代)

ご指摘のとおりで,津波堆積物から分かってきた巨大津波を発生させてきた巨大地震も,その規模はばらついていると考えるのが自然です。

 現在、当センターでは様々な場所で得られた津波堆積物を同一の津波によるものである事を地質学的な解析手法を用いて認定し、その津波を津波数値計算を用いて再現することで、各巨大地震の規模を推定し、巨大地震の震源域の大きさのばらつきを求める研究をまさに進めています。(地震観測研究分野)

地震発生時、発光現象がよくみられるそうですが、近頃では地震兵器のプラズマでは?との都市伝説も囁かれているようです。科学的に解明すると、どのようにして発光現象が起きるのでしょうか?(Q9:札幌市・女性)

地震発生時に発光現象が見られたという報告はよくありますが、それが地震と関連していると確かめられているものはほとんどありません。多くの場合、電線のショートであるとか、火事、爆発によるものです。4月7日のNHK報道で見られた発光も、直後に停電が起こっていることから送電線のショートによるものではないかと思います。

 大地震や親しい人の死といった非常に印象的な出来事が起こった時に、普段から起こっていることとその印象的な出来事を結び付けて考えてしまうことがあります。

 例えば、2011年3月24日付時事通信社の記事によると、地面に落ちている黄色い塊が放射性物質ではないかという問い合わせが気象庁天気相談所に多く寄せられたそうです。この黄色い塊はスギ花粉であって、放射性物質ではありませんでした。このような問い合わせはこの年が初めてだったそうです。この問い合わせの前に原発事故が発生し、多くの方が放射性物質に強い関心を持っていたという背景があります。黄色い塊は毎年落ちていたはずで,問い合わせをした方も見たことはあったはずですが、これまで気にとめていなかったことを原発事故という印象的な出来事に結び付けてしまったというよい例だと思います。

 このように地震発光現象は興味深い現象ではありますが、それが地震と本当に結びついているかは慎重に検証する必要があるというのが現状です。(地下構造研究分野 柿並義宏)

余震は、本震の破壊域(すべり域)の破壊せず残った部分(割れ残り部)に起因するとされておりますが、3月11日のM9についても、震源断層のメカニズム解析で、3月9日の(最大)前震・3月11日の本震・それ以降のM7前後のいくつかの余震などの破壊領域はラップしていないと言えるのでしょうか?(Q8:札幌市・会社員・61歳)

これも難しい質問です。余震はどうして発生するのかとの質問になってきます。本震で破壊しなかった部分が余震で破壊すると考えるのも1つのメカニズムでしょう。でも、震源域で発生している余震はたぶんそれだけではないと考えます。

 大きく破壊された断層はそれ自体は歪みが解放されますが、近傍では様々な現象が非常に局所的に起こっています。その局所的な歪みを解消するために小さな地震が発生し余震となっていると考えられます。それらの余震は全て断層近傍で発生しますので、余震域が本震の震源域と重なり、オーバーラップしているように見えます。逆にオーバーラップしないとおかしい訳です。しかし、大きな余震や前震はやはり本震で大きく破壊した場所と住み分けていると考えるのが適切かと思います。

 この問題も、余震の位置と本震の震源域を本当に精度良く決定する研究が進めば将来はっきり見えて来る問題でしょう。今後の進展が期待されます。(地震観測研究分野 谷岡勇市郎)

北海道太平洋側の400~500年周期の連動型地震の発生について、M8前後を繰り返す複数の領域が400~500年毎に「同時に歪みエネルギー蓄積が満期になる」ため起こるのでしょうか?または、個別領域の満期とは無関係に(2003年十勝沖のような比較的最近発生した領域も含め)起こるのでしょうか?(Q7:札幌市・会社員・61歳)

実際どのような仕組みになっているかは良く分かっていません。次は1つの説だとお考えください。例えば、2003年十勝沖のようなM8の地震では歪みが解消しきれていないと考えることもできます。過去100年程度の検潮記録によると北海道太平洋沿岸は継続して沈降しています(M8の地震が起こっているにもかかわらず)。しかし、地形学的な長期間(10万年オーダー)で見ると実は隆起しています(平均するとその速度は小さいですが)。

 この違いを説明するために、過去100年では観測できていない400-500年間隔のM9クラスの巨大地震で歪みを解消しているのではと考える訳です。つまり、2003年十勝沖地震では歪みの一部しか解放していないと考えることもできる訳です。様々な仮説から真実を探りだすため現在、地震火山研究観測センターでは研究を推進しています。(地震観測研究分野 谷岡勇市郎)

地震の「マグニチュード」と「震度」とはどのように違うのでしょうか?(Q3)

「マグニチュード」とは地震そのものの大きさ(規模)のことです。一方、「震度」とは、ある場所における地震による揺れの強さのことです。「マグニチュード」と「震度」の違いは、電球の明るさで例えてと分かりやすいでしょう。電球そのものの明るさを表す値が「マグニチュード」で、電球から離れたある場所での明るさが「震度」に相当します。電球がいくら明るくても、遠く離れてしまうと暗いのと同じで、マグニチュードが大きな地震が外国に発生しても、震源から遠く離れた日本では揺れを感じないことになります。(防災情報支援室・宮村淳一)

I've heard that Mount Fuji may erupt in coming decades, according to the news. Is it true?(Q53:台湾)

Thank you very much for your question. I think what you saw on the TV was not an eruption forecasting but envisioned disaster simulations. Although Mt. Fuji still has potential to erupt in the future and its volcanic activity is monitored 24 hours, no conclusive forecasting in a decadal time scale is possible at the present level of volcanology. Laboratory for Volcano Physics

海の中の火山は、なぜ火が出るのですか。また火が出ると、海水は温かくなりますか (Q50:札幌市)


海の中にある火山は、はじめ海底からマグマがふきだしてきます。

ふきだしてきたマグマが海底にたまっていくと、
海の中に山ができます。

噴火(ふんか)が続いてこの山が成長していくと、
やがて、海面よりも高くなり、火山島ができあがります。

こうして島が十分に成長すると、地下のマグマは海水とふれることなく、
高温のままで、地表に出てくることができるようになります。

熱いマグマは、赤く光って見えるので、
火がふきだしているように見えることがあるのです。

また、島ができあがる前に、マグマが海水に出会うと、
はげしく爆発(ばくはつ)することがあります。

このとき、海水はマグマの熱をもらって温かくなり、
一部は沸騰(ふっとう)して、水蒸気(すいじょうき)に変わっていきます。


火山活動研究分野 橋本武志

博物館の展示は大変見応えのあるコーナーでした。釧路に住んでいますが、阿寒岳が噴火する可能性はありますか?(Q41:釧路市)

火山噴火予知連絡会は全国の110の活火山を指定していますが,そのうち31火山が北方領土を含めた北海道に分布しており、阿寒湖周辺の雌阿寒岳と雄阿寒岳も含まれています.中でも雌阿寒岳は,約1万年前から現在に至るまで,活発に噴火を繰り返していて,ごく最近の,ポンマチネシリ火口周辺で2006年と2008年に小規模な水蒸気噴火をしました.20世紀以降の噴火は,いずれもマグマや溶岩の噴出を伴わない小規模なものでしたが,約2000年前には溶岩を出して阿寒富士を形成しました.もっと以前には,活動場所を変えながら,溶岩や火砕流を発生させる,さらに規模の大きい噴火も起こしています.現在も噴煙・噴気活動が活発で,ポンマチネシリ火口の地下の浅い場所の温度上昇を示す観測結果も得られており,北海道でも有数の活発な活動を続けています.残念ながら現在の技術では,時期や規模を絞った噴火予知は,極めて困難ですが,雌阿寒岳が将来噴火するであろうことは,ほぼ,確実であると考えられています.噴火が周辺地域に及ぼす影響について,規模や種類ごとに判り易く説明したハザードマップが行政(釧路市)によって,公開されています(http://www.city.kushiro.lg.jp/bousaikyu/bousai/map/0100)ので,一度ご覧になっておくと参考になると思います.雄阿寒岳も,活火山に分類されていますが,現在の活動は静かで,噴火の可能性は雌阿寒岳に比べて遥かに小さいと考えられています.
(火山活動研究分野・村上 亮・2014年7月11日)

マグマが爆発的に噴火した際、マグマは最大どこまで流れるのですか?(Q39:音威子府村・31歳・シュレックさん)

噴火には様々な形態がありますが、最も爆発的とされるカルデラを形成する噴火の場合ですと、半径数10キロメートル程度の範囲にまで火砕流という形でマグマが到達することがあり得ます。例えば、支笏湖のカルデラができたときの大噴火では、火砕流が札幌市まで来ています。そのときの火砕流堆積物が高温と自重により固まった岩石は、開拓時代に札幌軟石として建築物に多用されました。シュレックさんもご覧になったと思いますが、博物館の展示スペースにあった石の腰掛けは、その札幌軟石を使ってつくられたものです。また、2010年にアイスランドの火山で起こった中規模の爆発的噴火のような場合ですと、火口から3~5キロメートルの範囲に灼熱したマグマの塊が飛散する可能性があり、マグマが細かく砕かれて噴煙として放出された火山灰は、上空の風に乗って数100キロメートルも流れていくことがあります。なお、マグマが爆発で粉々になって飛散するのではなく、連続した溶岩流として流れていく噴火であれば、冷えて固結するまでに10キロメートル程度の距離までは到達することがあります。
(火山活動研究分野・橋本武志 2014年6月20日)

最近新しくできた小笠原の島はこのまま島になりますか?(Q34)

新しく島ができる瞬間を見ることができたなんて、とても幸運なことですね。私たちも、この新しくできた島に非常に興味があります。
新しくできた島のすぐ近くには、西之島と呼ばれる島が以前からありました。西之島は伊豆諸島から硫黄島を結ぶ火山列に属しており、小笠原諸島の西方約130キロに位置している無人島です。西之島のすぐ近くでは、1973年にも海底噴火によって新しい島ができ、「西之島新島」と呼ばれていました。この新島がたどった経過を見れば、2013年に新しく誕生した島の今後も予想できそうです。
1973年5月30日に西之島の東方600mで始まった海底火山の噴火活動によって、1973年9月11日には新たな島(西之島新島)が海面上に出現しました。その後も継続した噴火活動により、海面上にはいくつかの新島が形成された後に、それらが合体して1つの島になりました。噴火活動が収まったときには、新島は西之島とつながっていませんでしたが、間もなくして海流や波浪の影響で新島と西之島の間に砂が堆積し、2つの島が合体しました。
その後は、海の波による新島の浸食と、削られた土砂の再堆積によって島の形が変わっていきました。新島ができた当時に見られた火口は浸食によってなくなってしまいましたが、現在も1973年の噴火前に比べて西之島は大きくなった状態で残っています。1973年の新島では、標高約52mの丘も形成されたようですが、現在残っている部分の最高標高は15.2mとされています。波や降雨が大きく島の形を変えたことが分かります。
昨年新しくできた島も、12月26日には溶岩流によって西之島と合体しました。調査時に撮影された写真を見ると、元々あった西之島と同じくらいの大きさまで成長しているように見えます。今後どのくらいの期間で噴火が続くのか予想はできませんが、1973年の新島が現在でも一部が残っていることを見ると、昨年できた新島も40年くらいは浸食されずに残ると考えられます。
なお、1973年の新島形成時は、噴火活動継続中の1974年3月に東京水産大学、東京大学、東京工業大学の合同調査隊が上陸して溶岩や噴石の採取といった調査を行いました。噴火活動収束後の1974年7月には、地震計などの計測器を持ち込んでの観測も実施されています。(火山活動研究分野・青山 裕)

最近活動が活発になってきた霧島周辺の火山が大規模な噴火をするようになった場合に、北海道ではどのような影響が想定されますか?(Q28:札幌市・35歳)

ご質問ありがとうございます。

霧島周辺の火山ということで、中部~南九州の阿蘇山、霧島山、桜島などが大規模な噴火をするようになった場合に、北海道にどのような影響が考えられるか、についてお答えします。大規模な噴火といっても、その大きさによって影響の及ぶ範囲はかなり違いますので、過去に起こった実際の噴火との比較で考えてみたいと思います。

霧島山の新燃岳は2011年の1月に噴火しましたが、この噴火で放出されたマグマは、0.02立方キロメートル程度と見積もられています。地元では大量の火山灰が降り、日常生活や観光にも影響が出ましたが、北海道への直接的影響はありませんでした。霧島山は1716年にこの10倍程度のマグマを出す噴火を経験していますが、これでも北海道への直接的な被害はなかっただろうと考えられます。また、桜島はここ数年、1年あたりの爆発回数が1000回を超える活動を見せています。まれに高さ5000mを超える噴煙を上げる爆発をしますが、ご存知のように北海道まで直接の被害は及んでいません。北海道と南九州は1500キロほど離れていますので、この程度の噴火では直接的な被害が及ぶことはまずないと言えます。

一方、阿蘇山では、約9万年前にカルデラを形成する最後の噴火が起こったとされていますが、このときの噴出物量は100立方キロメートルを超えており、中部九州の大半に火砕流が到達したと考えられています。また、当時の火山灰は北海道の地層にも残っています。もし現在、これと同様の噴火が起こったとしたら、九州が壊滅状態になることはもちろん、北海道にも甚大な影響が出ることは疑いありません。火山灰が降り積もると、農作物に被害が出ますし、交通も麻痺してしまいます。さらに、大量の火山灰が大気中に長期間とどまり日光が遮られますので、何年にもわたって地球規模の寒冷化が起こると考えられています。

上に書いたことは、霧島山と桜島は安全で、阿蘇山は危険な火山だという意味ではありません。現在の阿蘇山、霧島山、桜島などの火山活動が、カルデラを形成するような巨大噴火に発展する兆候はありませんが、数万年という時間スケールで考えた場合には、地球上のどこかで同程度の噴火は起こる可能性が高いと考えていただければと思います。(火山活動研究分野・橋本武志)

阿蘇山の展望台に登っている人全員の髪の毛が、不自然にまっすぐ上に立ちました。それは、なぜですか?(Q20:東京都・こまちさん・11歳)

詳しい状況がわからないので推測に近いお答えしかできませんが、展望台にいた人全員の髪の毛がまっすぐ上に立っていたというのは、ちょっとびっくりする光景ですね。

 一番ありそうなのは、火口から吹き上げてきた強風で髪が逆立ったということです。阿蘇山の火口の周りでは強い風が吹くことが多いのですが、こまちさんが阿蘇にいらした今年の7月29日はどうだったのでしょうか。阿蘇の火口の近くには気象庁の阿蘇山測候所があり、気象庁のホームページで過去の気象データを調べることができます(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn)。この日は、概ね晴れで、南から西寄りの風が吹いていました。お昼頃から徐々に風が強まり、午後2時~3時がもっとも風が強かったようです。

 風以外に考えられる原因としては静電気があげられます。雷雲が近づいてくると、強い静電気のために髪の毛が逆立つことがあります。ただ、髪の毛がまっすぐ上向きに立つためには、相当強い静電気が必要でしょう。火山が噴火したときに噴煙の中で雷が発生することがありますので、もし噴火中の火口の近くにいたら、髪が逆立つほどの静電気を経験するかもしれません。しかし、こまちさんが阿蘇にいらした今年の7月29日にこのような噴煙を上げる噴火はありませんでしたので、これはあり得ないと思います。上に書いた阿蘇山測候所の気象データを見ると、この日は午後4時前後に夕立ちが降っていたことがわかりますので、近くで雷雲が発生していた可能性は高いと思います。

 こまちさんが火口展望台にいらしたのが、夕立ちが来る少し前の午後2時~3時頃だとすれば、風が強く、雷雲が近づいていた時間帯にあたりますので、上で考えた髪の毛が逆立つ要因がそろっていたことになりますね。当時の状況をよく思い出しながら、他の原因の可能性についても考えてみてください。(火山活動研究分野・橋本武志)

阿蘇山の火口の中にある水は、雨水だと聞きましたが、エメラルドグリーンに見えるのはなぜですか?(Q19:東京都・こまちさん・11歳)

こまちさんがごらんになったのは、阿蘇山中岳第1火口の火口湖ですね。地元では「湯だまり」と呼ばれています。この湯だまりは、単に雨水が火口にたまった水たまりではありません。おそらく、表面からもうもうと湯気が立っているのが見えたと思いますが、お湯の温度は60~70℃もあるのです。

 京都大学などの研究によれば、このように高温になっているのは、火口の底から熱い火山ガス(ほとんどは水蒸気です)や温泉が噴き出してきているからだと考えられています。湯だまりにはもちろん雨水も流れ込みますが、それだけでは湯気となって蒸発するのに追いつきません。地下から水蒸気や温泉が吹き出してこなければ、1ヶ月ほどで湯だまりはなくなってしまうでしょう。

 この湯だまりに吹き込んでいる火山ガスの9割程度は水蒸気ですが、それ以外にもいろいろな化学物質が含まれています。湯だまりには常にこうした化学物質が地下から運ばれてくる一方で、表面ではお湯が水蒸気となって蒸発するために、化学物質は「煮詰められ」だんだんと濃くなっていきます。そして湯だまりは、ついには岩石をも溶かしてしまうほどの性質を持つようになります(レモン汁に10円玉を浸けておくと表面の汚れが溶け落ちてピカピカになるのと同じ性質で、強酸性と呼ばれます)。つまり、湯だまりは単に雨水が温められたものではなく、火山ガスや岩石から溶け出した成分など、さまざまな物質を溶かし込んだ強烈な温泉であるということなのです。

 ちなみに、湯だまりの色は時期によって変わります。もっと緑色が濃いこともあれば、明るい灰色になることもあります。おそらく、色の変化はお湯に含まれる成分の変化を表しているのでしょう。ということは、火山ガスの成分や吹き込む量にも関係があるはずです。このため、阿蘇の湯だまりに限らず、火口湖の色の変化を観測して火山の状態の変化をいち早く察知しようという研究も行われています。次にこまちさんが阿蘇山を訪れたときには、湯だまりは違った色になっているかもしれませんよ。

 この質問は、夏休みの自由研究の一部のようですね。温泉にはどのような成分が含まれていて、どの成分がどんな色を出すのかについて、図書館やインターネットなどで調べてみてはどうでしょう。その結果をもとに、阿蘇の湯だまりに含まれている成分を推測してみるのも面白いと思います。(火山活動研究分野・橋本武志)

日本の一番高い山は富士山で、その富士山は火山で、いまでも活動していると聞きました。もし富士山がふん火したらひ害はどこまで、どのように出るのですか?どうすれば助かるのですか?(Q14:兵庫県・りんごさん・11歳)

富士山は、活動を始めてから10万年ほどの火山であるといわれています。ずいぶん古いように思われるかもしれませんが、いっぱん的な火山の寿命(じゅみょう)から考えると、まだわかいといえます。ですから、これからもふん火する可能性は十分にあります。

ふん火により、どのくらいの地域にどのくらいの被害が起こる可能性があるかということを考えるためには、その火山で過去に起こったふん火が参考になります。富士山の場合、864年に起こった貞観大噴火(じょうがんだいふんか)では、北西しゃ面のちょう上とふもとの中間あたりから、2年ほどにわたって大量の溶岩(ようがん)を流しています。溶岩流(ようがんりゅう)は、ちょう上から20kmほどのところまで達しています。1707年の宝永大噴火(ほうえいだいふんか)ではばく発的なふん火で大量の火山灰(かざんばい)がふき出されて、現在の川崎市で5cm、江戸の町にも灰が積もったそうです。また、もっと以前のふん火では、2300年ほど前に富士山の東しゃ面で大きな山くずれが発生し、泥流(でいりゅう)が駿河湾まで流れ下ったと考えられています。富士山頂からのだいたい30kmくらいのところまでです。こうなると、ふもとの町々は大変なひ害を受けることになります。しかし、少なくともこれと同じくらいのことは、今後のふん火でも起こる可能性があることを知っておかなければなりません。

りんごさんがお住まいの兵庫県まで、直接的なひ害がおよぶということは、まずないと思われます。ただし、火山灰が多量にふき出した場合は、新幹線、高速道路、飛行機の運行ができなくなるなど、交通機関には重大なえいきょうがあるでしょうから、ふん火が長引けばりんごさん自身の生活にも、関わってくることは十分考えられます。

さて、どうすれば助かるのか、という質問ですが、多くの場合、ふん火が始まる前には、数時間から数日前には何らかの前兆的な異常現象(いじょうげんしょう)が現れますので、仮に富士山のふもとに住んでいたとしても、異常がわかってからふん火するまでに、ある程度避難(ひなん)するための時間がありそうです。また、ふん火が始まっても、小さなふん火ならば数10km以上はなれた地域への直接的なえいきょうはそれほど大きくならない可能性もあります。むしろ、ふん火が長引くことになると、経済(けいざい)活動に与える影響はとても大きなものになるかもしれません。大きなふん火の場合には、何ヶ月も前から、山がわずかにふくらんだり、地しんが増えたりすることが多いので、日頃からニュースなどの情報に注意しておくとよいでしょう。なお、気象庁のホームページでは、全国の活火山の様子について、定期的に情報をお知らせしているほか、観測データに異常が見られたときには、報道や行政を通じて、りん時的な情報を出すことになっています。もっとも大切なことは、富士山がいつかふん火する火山だということを、忘れずに常に心に置いておくことだと思います。(火山活動研究分野・橋本武志)

日本には温泉がたくさんあります。それは火山の力を利用しているものが多いと思います。ではなぜ、日本には火山が多いのですか?(Q13:和歌山市・15歳)

日本に火山が多い理由をひとことで言えば、日本列島の地下ではたくさんのマグマが生まれているから、ということになります。マグマが生産される量は、世界中どこでも同じというわけではありません。例えば、南北アメリカの西海岸や、アラスカ、千島列島、フィリピン、インドネシアなど太平洋の周縁部にある地域では、マグマの生産率が高く多くの火山が分布しています。以下では、どうしてこのような地域でマグマの生産率が高いのか、ということについてもう少し詳しく説明します。

私たちが生活している地球の表面は、数10kmほどの厚さのプレートと呼ばれる岩盤でできています。地球の半径はおよそ6400kmありますので、それから考えると、プレートは表面のわずかな薄皮にすぎません。このプレートは、10数枚に分かれて地球をおおっていて、それぞれのブロックは、より深い領域(マントル)の対流運動に引きずられて浮遊しています。例えていえば、牛乳を温めたときにできる脂肪の膜のようなものです。日本列島は、プレートとプレートがぶつかり合う地域に存在しており、その境界では、東側にある海側のプレートが、西側の大陸プレートの下に沈み込んでいると考えられています。

さて、このように海底のプレートが潜り込んで地中深くまで運ばれると、ある深さ(百数十kmといわれています)に達したときに、プレートの岩石が含んでいた海水が絞り出されて、上にある岩盤に放出されます。上側の岩盤を構成する岩石は、かんらん岩と呼ばれるものですが、通常の状態では固体です。ここに、絞り出された水分が付け加わると、融点が下がるため、その場で一部が融けると考えられています(雪道に融雪剤をまくとシャーベットのようになって融けるのに似ています)。これがマグマの誕生です。プレートの運動は長年にわたって続いていますので、日本列島の地下では、次々とマグマが生産され続けています。そのため、日本では火山が多いわけです。(火山活動研究分野・橋本武志)

地殻が移動したことによりマグマの出口が塞がれ、火山性の爆発が起きる可能性はないのでしょうか?(Q5:相模原市・自営業・61才)

地震と火山が短い時間間隔で相次いで起きた事例は幾つか知られています。1707年の東海・南海地震(M8.4)の49日後に発生した富士山大噴火や、1914年の桜島大正大噴火開始から約9時間後に発生した桜島地震(M7.1)は、我が国で実際に起こった有名な連動現象です。しかし、なぜ地震と噴火が連動するのかは、科学的に十分解明されている訳ではありません。噴火開始の条件には、様々な要素が複合的に関係していると考えられていて、地震発生によってある要因は弱まり、他の要因は強まったりして、どちらの要素がより大きいかの判定は複雑で、噴火予測は難しいのが現状です。しかし、ご質問のように「地殻が移動してマグマの出口が塞がれて、火山の噴火が発生する」という考え方はありません。例えば、地震をきっかけに地面の隆起や水平移動などが生じますが、同時にマグマ溜まりに働く周りからの力も変化するため、マグマが上昇しやすくなるメカニズムなどが学説として提案されています。ただし、まだまだ発展途中の学問分野であり、予測手法を確立するにはさらなる研究の積み重ねが必要です。(火山活動研究分野・村上 亮)

昔、学校で活火山・休火山・死火山と教わった記憶がありますが、最近はそのような分類をしていないと伺いました。何故でしょうか?(Q1)

以前は火山を3つに分類している時代がありました。現在盛んに噴火を繰り返している火山を活火山(たとえば、桜島)、噴火記録はあるがしばらく活動を休んでいる火山を休火山(たとえば、富士山)、噴火記録がない火山を死火山(たとえば、雌阿寒岳)と分類する考え方でした。ところが、死火山と考えられていた北海道の雌阿寒岳が1955年以降、しばしば噴火を繰り返すなど、この分類では実態にそぐわない事例が出てきました。歴史が短い北海道では、それ以前に活動があっても記録に残されない場合があると、過去の活動を見逃すことになります。そもそも、火山の寿命は数万年から数十万年以上と言われており、近年では詳しい地質調査等によって何千年間も活動休止した後に噴火を再開した事例も報告されるようになりました。こうした状況を踏まえ、火山噴火予知連絡会は平成15年1月に、活火山を『概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山』と新しく定義しました。この時点で、日本の活火山は108を数えましたが、その後、各地で地質調査が進み、1万年以内に発生した噴火が新たに見つかった火山がいくつか報告されはじめているようです。(防災情報支援室・宮村淳一)

なぜ津波(つなみ)がおこるの?(Q42:札幌市・9歳)

大きな地震(じしん)が海の下でおこると、地震が発生した場所の海の底があがったり(隆起(りゅうき))、さがったり(沈降(ちんこう))します。それにより海の表面も上がったり、下がったりします。それが海の波となって伝わってくるのが津波です。Q2への答えも参考にしてください。
(Q2:http://www.sci.hokudai.ac.jp/isv/faq/post-38.html#entry-1764
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎・2014年7月11日)

韓国の仁川付近で満潮と干潮の差は8m~10mもあるという話を聞いた事があります。日本ではそんな大げさなと思いますがなぜでしょう?(Q35:草津市・59歳・女性)

満潮と干潮の差は場所によって異なります。日本では、約50 cm~2-3 m程度の差となる場所が多く見られます。韓国の8~10 mと比較すると小さいですが、日本でも局地的に大きくなる場所があるかもしれません。
また、津波の高さは潮汐(大潮、小潮、満潮、干潮など)に左右されます。沿岸に津波が到着する時刻と満潮の時刻が重なった場合、より高い津波が押し寄せてくるため、注意が必要です。(地震観測研究分野)

陸と海はつながっているのに、陸での大きめの地震であまり津波がおきないのはなぜですか。陸で地震が起きたときでも津波は起きるのですか?(Q26:東京都板橋区・12歳)

地震は地下の断層が動く(地下のある面に沿って面の両側が動く)ことによって発生します。津波はこの断層が動く事によって海底が上下に変形し、それにより海面も上下することによって発生します。そのため、断層の動きが海底を変形させない場合(陸の下の断層の場合)は海面を変形させることができず、津波が発生しません。陸と海はつながっているので地震波は地球全体を伝わりますが、この地震波が津波を発生させる訳ではありません。津波はあくまで断層の動きによって発生するため、上記のようになる訳です。(地震観測研究分野・谷岡勇市郎)

過去の巨大津波の研究については襟裳岬より東についてはよく目にしますが、 襟裳岬より西や三陸北部はまず見かけません。これらは、自治体や企業が リスク対策を考える上で重要な情報だと思うのですが、現在どこまで 解っているのでしょうか?(Q10:札幌市・40代)

襟裳岬より西でも過去に1968年十勝沖巨大地震のような地震が発生し、大津波も発生しています。津波堆積物調査から分かってきた17世紀初頭の巨大津波の推定断層は襟裳岬より西側に位置していますが、襟裳岬の東でも最近、津波堆積物が見つかっている場所もあることから、現在それらを見直すための研究を進めているところです。(地震観測研究分野)

3月11日の地震により、被災地沿岸は約1m沈下し東南東に最大で5m程度移動したと報じられています。これらは地震発生直後の陸側プレートの地殻変動によると思いますが、津波シミュレーションでは考慮されていますか?また、沈下地域の防潮堤も地盤とともに約1m低くなるとすれば、津波に対する効果は減少したと考えるべきでしょうか?(Q6:札幌市・会社員・61歳)

三陸地方の詳細な津波のシュミレーションを行う場合や、地殻変動の及んだ地点での観測記録を数値計算で再現する場合には、陸側の地殻変動を考慮します。しかし、今回の地震による北海道の津波の影響を再現する場合は、そこまで精密に計算しない場合があります。ご指摘のとおり地盤が1m低くなったことで防潮堤の効果がその分減少したのは確かでしょう。しかし1m程度沈降した地域では10mを越える津波が襲っていますので、その違いは小さいものと考えられます。(地震観測研究分野 谷岡勇市郎)

釧路平野の昭和(海から3km弱)に住んでいます。「500年間隔地震が起きた場合、釧路に14.8mの津波が来る可能性がある」という新聞記事を読みました。釧路市の津波防災マップでは津波は5mと記載されていますが、被害が拡大する恐れがあるのでしょうか?大津波の場合には防災マップは信用できるのでしょうか?近くに高台がまったく無い場合はどこへ避難したらよいのでしょうか?(Q4:釧路市・主婦・29才)

連動型巨大地震が発生して構造物が機能しない場合の北海道の想定は、釧路の海岸(千代の浦)で10.6m、桂恋で12.8mとなっています。釧路市街地ではありません。釧路市は北海道の想定津波に基づいて防災マップを作成していると思います。釧路市の昭和で3km程度海岸から内陸側であれば、最も警戒すべきは新釧路川をさかのぼって来る津波です。津波は10㎞以上も川をさかのぼる場合があります。津波発生時には、新釧路川から離れるように、さらに海岸から離れる方向に避難されることが賢明かと思います。高台が無くても距離が離れていれば津波が到達する可能性は少なくなります。良い機会ですので、防災マップをもう一度確認するとともに、市役所防災担当の方にも詳細をお聞きしてみては如何でしょうか。(地震観測研究分野・谷岡勇市郎)

海の下で大きな地震が起きると、なぜ津波が発生するのですか?(Q2)

地震の正体は断層運動です。つまり、震源では、ある面を境にその両側の岩盤が互いに反対方向に食い違う動きが生じているのです。このため、震源地付近では地面が上がったり、下がったりすることがあります。海底下の浅い所に地震が発生すると、海底面が上下に変動するために、その上にある海水全体が短時間で急激に持ち上げられたり下げられたりします。その結果、海面にもり上がりや沈みこみが生じ、その波が周囲に広がって行きます。これが津波なのです。(防災情報支援室・宮村淳一)

マントルは何個層があるのですか。(Q49:18歳・きょうちゃんさん)

地球の半径は約6400kmです。地表から10kmから数10kmは地殻と呼ばれ場所によってその厚さは違います。その下にマントルがあり深さ約2900kmまで達しています。マントルは大きく分けると上部マントル(深さ約660km)までと下部マントル(その下)に分かれます。上部マントルにはさらに深さ410km程度に境界があり、その境界の上下で構成岩石が違います。さらに深さ520kmにも境界が存在する可能性が指摘されています。下部マントル最下部(深さ約2700km程度から2900km)はマントルより下に存在する内核の影響を受けた層となっておりD"層と呼ばれています。これらの境界は全て巨大地震で発生した地震の波を世界中で観測し、研究者が解析することにより明らかになって来ました。
(地震観測研究分野・谷岡勇市郎・2014年10月23日)

海の下にある石は、りかの先生によるとかざんの石だと言っていましたが、あのでっかい石は海の下におちていたんですか?(Q33:札幌市・るったんさん・8歳)

ときどき日本で火山がふんかしたことがニュースになりますが、火山は陸地(りくち)だけでなく、海の底(そこ)にもあります。今年(2013年)の11月に、日本の南の小笠原(おがさわら)というところで、新しい島(しま)ができましたが、これは海の底(そこ)で火山がふんかしたためです。
火山がふんかすると、石があつくなってどろどろにとけたもの(ようがん)が地面(じめん)の下から出てきます。海の底(そこ)で火山がふんかすると、出てきたようがんが海の水で冷(ひ)やされてかたまって石ができます。
世界中(せかいじゅう)には、海の底(そこ)からようがんがもっとたくさん出てくるところがあって、そこでできた石が海の底(そこ)をおおっているのです。
(海底地震研究分野・村井芳夫)