世界各地で起きた地震や火山噴火、津波に関する情報を、速報でお知らせします。
2012年12月7日に三陸沖のアウターライズでM7.3の大地震が発生した(図1の青星)。図1で★(赤)は2011年東北地方太平洋沖地震の震源を示す。今回の地震による津波は鮎川で1mが観測された。この津波はナウファス(国土交通省港湾局)のGPS波浪計(宮城南部沖)でも観測され、5㎝程度の引き波から始まり、10㎝程度の押し波が続く波形であった。
本研究では断層メカニズム(正断層、走行202°、傾斜角45°、すべり角-90°)、断層長50㎞、断層幅25㎞を仮定し、津波数値計算を実施した。図2に計算される最大波高の分布、震源位置(★)、GPS波浪計(宮城南部沖)観測点(▲)を示す。すべり量を1.1mとすると図3に示す様にGPS波浪計での計算波形は引き波から始まり、10㎝程度の押し波となり、観測波形をおおよそ説明できる事が分かった。すべり量1.1mから計算されるMwは7.3となり、気象庁マグニチュードと一致する。
図1 2012年12月7日の三陸沖大地震(M7.3)の震源が★(青)。2011年3月11日東北地方太平洋沖巨大地震の震源が★(赤)。2011年東北地方太平洋沖巨大地震の余震分布が●(紫)。その前震分布が●(薄い青)で表される。今回の地震は太平洋プレート内のアウターライズで発生しているのがわかる。
図2 仮定した正断層の断層モデルより計算された津波の最大波高分布。★(赤)が震源。▲(緑)はGPS波浪計の設置位置。
図3 GPS波浪計の観測点での津波数値計算波形。大きな引き波の後、10㎝程度の押し波が計算された。
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お問い合わせ先: isv-web★mail.sci.hokudai.ac.jp (地域防災情報支援室)
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※ 掲載資料は速報であり、後日変更する可能性があります。ご利用の際には十分ご留意いただきますよう、お願いいたします。
2012年8月31日21時47分(日本時間)フィリピン(ヴィサヤ島)沖合いのフィリピン海プレート内で大地震(M7.6)が発生した(図1)。この地震により津波が発生し、フィリピン海プレート上に設置されたNOAA-DARTの海底津波計で観測された。この地震のメカニズムはUSGSによって推定された(走行346°、傾斜角46°、すべり角64°、深さ50㎞、地震モーメントM0=3.1x1020Nm、Mw7.6)。
Mw7.6からHanks and Bakun (2002)のスケーリング則を用いて断層長74㎞、断層幅37㎞とし、上記地震メカニズムから断層モデルを仮定し、津波数値計算を実施し、NOAA-DART(52404、52405)2点(図2)で観測された津波波形と比較した(図3)。観測波形と計算波形の比較からすべり量は1.8mと推定された。
すべり量から計算される地震モーメントはM0=3.5x1020Nm(Mw7.6)でUSGSにより推定された地震モーメントとほぼ等しい。
この津波数値計算により計算されるフィリピン諸島沿岸での津波高を図4に示す。最大で1m強であった。
図1 津波数値計算に用いた断層モデルの位置と計算される津波初期波形
図2 震源位置とNOAA-DARTの観測点の位置。52404と52405での津波観測波形を使用した。カラーは計算最大波高。
図3 観測津波波形(青)と計算津波波形(赤)の比較。
図4 推定された断層モデルから計算されたフィリピン諸島沿岸での計算津波高(m)。
2012年4月11日にスマトラ島北西沖でMw8.6の巨大地震が発生しました。
この地震のメカニズムは横ずれ断層型であったため、被害を及ぼすような大きな津波は発生しませんでした(図1のUSGSメカニズム参照)。
しかしMw8.6の巨大地震であったため、小さな津波がDART(NOAA)の2つの海底圧力計で観測されました(図2)。
本報告では、USGSがWフェーズを用いて推定したメカニズム(走行108°、傾斜87°、すべり角170°)を用い、断層長300㎞、断層幅50㎞と仮定し、地震モーメントからすべり量を10mとして津波数値計算を実施した結果をお知らせします。
観測津波波形と計算波形の比較を図2に示しました。
D23401では第1波の引き波と振幅は良く説明できています。
D23227では波形の合いはそれほど良くないが、振幅はおおよそ説明できています。
スマトラ沿岸での津波数値計算結果を見ると最大で約1m程度の津波が沿岸に達したと推測されます。(Gusman, 谷岡)
図1 津波数値計算による最大津波高分布。メカニズムはUSGS(W-phase解)を用いた。断層長300㎞、幅50㎞、すべり量10m、Mw8.6 とした。緑色の▲はDART(NOAA)の津波波形観測点を示す。赤の★は震源(USGSセントロイド)を示す。
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平成23年(2011年)3月11日14時46分頃,東北地方の大平洋沖でマグニチュード9.0(気象庁による)の巨大地震が発生しました.ここでは,北海道大学地震火山研究観測センターからの関係情報を提供します.なお,掲載資料はいずれも速報であり,後日変更する可能性がありますので,ご利用の際には十分留意するようお願いします.
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掲載:3/12,更新:3/31
(1) 海底地震観測
東大地震研,九大,鹿児島大と共同で臨時観測を実施.震源域に計32台のOBS(海底地震計)を設置.4月末に回収する予定.
(2) 津波現地調査
北大では,気象庁および北海道立総合研究機構地質研究所と連携して,北海道太平洋沿岸の津波の状況に関する現地調査を実施.3/27からは東北地方の現地調査も開始.
(3) 陸域観測
地震観測,GPS観測などの実施については,既存の連続観測点(気象庁,防災科学技術研究所,国土地理院,大学)の稼働状況を踏まえつつ,被害状況,交通事情も勘案しながら,全国の各大学と具体的検討を進めている.
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【地震観測研究分野・火山活動研究分野】
掲載:3/12,更新:3/17
当センターがえりも町に設置しているひずみ計・潮位計,伊達市館山町に設置している地震計,および森町に設置している潮位計の観測波形を表示します.
(関連サイト:当センター地震観測研究分野 「東北大平洋沖地震(M8.8)リンク集」 )
伊達で観測した地震波形
伊達市館山町における地震波形モニタ(2011年3月11日12時~3月17日12時)
★ひずみ波形の特徴(北海道大学・京都大学)
京都大学関連サイト http://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/events/110311tohoku/110311tohoku.html
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【海底地震研究分野:西村裕一助教】
★ヘリ観察(掲載:3/12)
時間:2011年3月12日07時丘珠空港発,10時05分帯広空港着,11時45分丘珠空港帰着
ルート:鵡川~豊頃町大津の海岸線(ただし,えりも岬の先端は,悪天候のため,えりも町から庶野に飛ぶ)
津波状況:水位の変化は目視で観察できた.岸壁すれすれまで水位上昇(例:浦河).この際,港の入り口や港内で渦をまいている様子も確認できた.
被害:すべての漁港で,船舶が岸壁に打ち上げられたり転覆したりという被害.また,港内にある漁協などの建物が被害を受けた痕跡あり.明らかに民家が被災したのはえりも町のみ.添付写真の枠内の家が,1階の中程の高さまで浸水した様子.2階や屋根は無事.これらの民家は,岸壁と同じ高さにあった.1並び山側の家々は無事.豊頃町の大津漁港でも,被害は港内に限られる.写真参照.2003年の十勝沖地震津波と同程度の被害(高さ2.5m).
豊頃町大津漁港の様子
★北海道地方における現地調査速報(掲載:3/15,更新3/19,数値はいずれも暫定値)
3月13日
一時的に津波警報が出された北海道南部日本海岸を調査.具体的には,余市,岩内,瀬棚,江差の各地.これらの漁港では,夕方に潮位の上昇は観察されたものの,岸壁を越えるようなことはなく,船も人もまったく無事.岸壁の高さを測量.
3月14日
函館市:海岸線約1㎞の範囲,内陸約400mまで冠水.冠水域内で,3測線を設けてウォーターマーク,聞き取りなどから水位分布を測定.水位は,海面上1.8~2.0m(潮位補正なし)でほぼ一様であった.建物被害は朝市周辺で顕著で,地盤上1.5mまで浸水していた.防潮堤の高さは海面から2.5mで,今回の津波は防潮堤がない地点から侵入した様子.なお,最大の浸水は,11日23:30ころだったとの証言あり.
函館南部,津軽海峡に面した住吉漁港:津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).漁船や建造物への被害はなし.周辺の集落は岸壁に守られていた.
森町,森港:津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).19:30頃が最大で,この時は岸壁の低い部分を越えて,48m内陸まで浸水した.漁船,家屋の被害なし.養殖ホタテには大きな被害.
3月15日
鵡川,静内,浦河,様似の各漁港において調査した.いずれも,岸壁から遡上限界までの測線を設け,痕跡と証言を元に,津波の高さ分布を調べた.
鵡川:漁港建物に残された痕跡の高さは2.6~2.9m(潮位補正なし.以下同じ).津波は内陸に208mまで遡上,遡上限界の高さは2.7m.
静内(新ひだか町):津波は内陸に68mまで遡上,遡上限界の高さは1.7m.
浦河:2測線で調査した.測線の間隔は約200m.津波は内陸に48mまで遡上,遡上限界の高さは3.4m.海岸に近い倉庫では,地盤上185cmまで浸水したところもあった.
様似:建物に残された津波痕跡の高さは3.7m.津波は内陸に223mまで遡上,遡上限界の高さは3.6m,漁港付近では建物や家屋への被害が顕著で,多くの民家が地盤上1.0~1.3mまで浸水した.
3月16日
冬島漁港:浸水範囲は港内のみ.遡上限界は約30m内陸,海面上1.8m(潮位補正なし.以下同じ).証言に基づく岸壁上での津波の高さは海面上1.7m,
旭漁港:浸水範囲は漁港内のみ.遡上限界は約50m内陸,海面上3.5m.
笛舞漁港:遡上限界は約75m,海面上4.1m.漁港内の建物に残された痕跡の海面からの高さは3.5m.
えりも漁港および市街地:えりもでは,海岸線1.3㎞の区間に4測線設けて調査した.漁港内での測線では,遡上限界は約59m内陸,海面上3.2m.建物に残された痕跡の海面からの高さは3.3m.えりも漁港の南西約800mの集落では,遡上限界は約68m内陸,海面上4.5m,民家に残された痕跡の高さは海面上4.1m,
歌別漁港:漁港背後の道路まで浸水,遡上限界は58m内陸,海面上3.3m.建物に残された痕跡の海面上の高さは3.5m.
東洋集落:船揚場の斜路や海岸斜面で浸水した跡を確認.船揚場の斜路では距離25m,海面から4.7mの高さまで浸水.
3月17日(いずれも測定時の海水面からの高さ)
歌露(東洋南部):デブリや土壌侵食が見られた高さ5.5m
東洋漁港(油駒)
・建物の痕跡:3.2m
・斜面上のデブリ:3.7m
えりも岬漁港
・浸水家屋:4.5m
・土壌侵食:4.4m
庶野漁港
・建物の痕跡:3.1m
目黒漁港
・建物の痕跡:2.7m
・斜面上のデブリ:2.8m
音調津漁港
・建物の痕跡:2.9m
・斜面上のデブリ:2.8m
十勝港(広尾)
・1.2㎞離れた2測線で調査.建物の痕跡はいずれも4.0m
3月18日
大樹町・旭浜
・漁港内のみで浸水,集落被害なし
・漁協事務所・市場の建物に残された痕跡の高さは,地盤から130~150cm
・道路脇に流木あり,証言による遡上限界に一致
大樹漁港(浜大樹)
・漁港内のみで浸水,集落被害なし
・建物に残された痕跡の高さは,地盤から100~120cm
大津漁港
・漁協事務所付近の痕跡,地盤から160~170cm
・港最奥部の鉄工所付近の痕跡,地盤から220~230cm
・鉄工所付近,漁船が道路縁まで打ち上がる
・港最奥部から市街地(北東)方向に約540m遡上,家屋への顕著な被害はなし
・港の北側の湿地へも一部浸水(デブリあり)
白糠
・漁港内のみ浸水,証言によると約70m遡上
・漁協事務所付近では地盤から80㎝まで水位上昇
釧路漁港
・漁協事務所付近では地盤から110㎝まで水位上昇
・漁協北側の工場まで浸水,証言によると約110m遡上
★東北地方における現地調査速報(掲載:3/28,更新:3/31,数値はいずれも暫定値)
【痕跡・遡上】青森県六ヶ所村,三沢市,おいらせ町
- 計測日:3/27
- 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)
六ヶ所村尾駮 燃料輸送会社敷地内
・被害,痕跡ともになし.聞き取りにより岸壁を越えて一部浸水した場所があることがわかった.津波の高さは3.4m(潮位補正後)であった.
三沢市五川目
・防潮堤はなく,幅約150mの植林地帯が続いている.津波は植林地の中を浸水した.調査地点では,植林地を抜けて322m内陸まで遡上,枝が折れたり浮遊物が付着したりしている高さはいずれも約7.9m(潮位補正後).約260m内陸の民家のプレハブが一部破壊されていた.地震発生時に海にいたというサーファーに会えたので様子を聞いた.「夕方遅い時間に来た3波目が断然大きかった.引き波により海底のテトラポットが露出した」
三沢市三沢漁港
津波により多数の漁船が漂流し,港内の建物が大きな被害を受けていた.複数の津波痕跡高の高さはいずれも約6.7m(潮位補正後)であった.
おいらせ町市川漁港
・津波によりすべての漁船が漂流(お会いした漁師談)した.建物は倉庫が1つだけ残っていた.内外の被害の様子から津波痕跡高は約8.0m(潮位補正後)と推定.
【痕跡・遡上】青森県八戸市,岩手県洋野町,岩手県久慈市
- 計測日:3/28
- 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)
八戸市八戸港 八太郎公園周辺
・広い範囲で周辺家屋の主に1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.8m(潮位補正後)であった.
八戸市八戸港 新湊周辺
・大型の漁船が多数,岸壁に打ち上げられている.広い範囲で周辺家屋の主に1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.5m(潮位補正後)であった.
八戸市鮫漁港
・大型の漁船がいくつか,岸壁に打ち上げられている.海に近い周辺家屋の1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.6m(潮位補正後)であった.
八戸市白浜海水浴場
・道路沿いの施設や海の家などが,流されるなどの大きな被害.中央にある施設の2階監視室内部や山側斜面上の倉庫にあった痕跡の高さは約8.7m.山側の民家に続く道路脇に遡上限界(160m,9.3m)を示す浮遊物帯があった.
洋野町種市海浜公園
・海産物加工場など漁業関係の施設と公園施設が高さ10m(海抜)の堤防の海側に点在する一帯が,津波で大きな被害を受けた.堤防の陸側の民家には被害なし(浸水せず).公園内の建物にあった津波痕跡高の高さはいずれも約5.5m(潮位補正後)であった.
久慈市久慈港
・堤防内にある施設はすべて壊滅的.かろうじて残っている倉庫で推定した津波の高さは9.8m(潮位補正後).津波は高く続く堤防を越えて民家にも被害.堤防の上にな網などの漁具が乗っている様子が随所で確認できた.堤防の陸側の民家の被害は主に1階部分であった.
久慈市久慈湾
・久慈港の南にある小さな漁港.港内の施設はすべて破壊され,道路沿いの民家の2階まで津波による被害あり.推定した津波の高さは9.6m(潮位補正後).海沿いの道路の山側は急斜面で,斜面途中の民家も一部被害を受けている.急斜面の一部に津波が駆け上がった痕跡がある.一面に表土が侵食され,地表に漁具や生活品,壊された家屋の一部が散乱していた.遡上限界には浮遊物帯がある.この高さは約18.5m(潮位補正後).変貌した斜面の様子は,昨年2月のチリ地震の際,津波が急斜面の一部を24mの高さまで駆け上がったチリの Constitucion の様子と似ている.
【痕跡・遡上】岩手県宮古市,岩手県山田町
- 計測日:3/29
- 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)
宮古市 宮古港
・港内の建物ではビルの2階相当の窓ガラスはすべて割れ,3階にある窓やその上の屋根はほとんど無傷であった.こうした複数の痕跡から津波の高さは約8.5m(潮位補正後)と推測した.
宮古市白浜地区
・地元の方に話を聞いた.津波は2波目が最も大きく,堤防を越えて集落を襲った.堤防の海側の斜面にある痕跡の高さは11.5mであった.ちなみに堤防の高さは7.6m.この地区では津波は堤防を越えることを想定して避難訓練を実施していたこともあり,怪我人すらなかった.堤防のすぐ陸側にある家屋はすべて流されたが,一番堤防に近い(約10m)古い蔵は無傷で内部もほとんど浸水しておらず,皆さん驚いているとのことであった.
山田町 漁港
・岸壁の目の前にある冷蔵建物2階(倉庫の屋根より高い位置にあるので3階相当)で津波を見ていた方に会えたので話をお聞きした.第1波が突然やってきて(引き波なし)あっという間に倉庫の1階屋根の高さまで水位が上がり,堤防を越えて集落を襲った.津波はこの建物の2階の床面には達していない.2階床面に相当する高さは9.5m(潮位補正後).津波はその後大きく引き,続く第2波は第1はより低かったが堤防は越えた.ちなみに堤防の高さは6.2m.また堤防は何カ所も破られていた.堤防が広い範囲で決壊した場所の裏手にある斜面で浮遊物が散在している地点(この高さまで表土も削られている)の高さは10.0m(潮位補正後)であった.
【痕跡・遡上】岩手県宮古市,岩手県野田村
- 計測日:3/30
- 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)
宮古市 田老地区
・田老地区は海側の堤防が破壊され,内陸の堤防を越えて津波が浸水して市街地が大きな被害を受けた.海に近い4階建てビルは屋根の内側まで損傷.また港から南に向かう斜面の道路上に明瞭な痕跡が残り,昭和三陸と明治三陸の津波の高さを示すパネルがある崖に浮遊物が付着.これらの痕跡の高さは約19.5m(潮位補正あり).さらに南の沢(沢尻海岸)の斜面に続く侵食痕跡や折れた枝の高さは約25.5m(潮位補正後).また,さらに南の沢(小港)のにある痕跡の高さは24.4mで遡上限界の高さは24.7mであった.小港には,昭和三陸津波で被害を免れた家が残り,さらに5m上の高台に新しい住居がつくられていたが,いずれも今回の津波で流された.
野田村 安家漁港
・港の山側斜面に残された痕跡(浮遊物帯と斜面の侵食)の高さは16.8m.約30cm上に国道があり,津波は国道すれすれまで達したという証言を得た.港の脇の川沿いにある集落が大きな被害を受けていた.
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【地震観測研究分野:谷岡勇市郎教授】
★第一報(掲載:3/13)
震源から比較的離れた5つの検潮所(花咲・釧路・えりも港・森・銚子、図1)で観測された津波波形と計算波形を比較する.次の3つの断層モデルから津波波形を計算した.
1)UCSBのJiさんの解析結果の大きすべった場所を1つの矩形断層とするモデル(走行199°,傾斜角10°,すべり角92°,長さ360km,幅100km,すべり量20m)
2)山中さんの解析結果の大きくすべった場所を1つの矩形断層とするモデル(走行200°,傾斜角12°,すべり角67°,長さ200km,幅120km,すべり量24m)
3)国土地理院の2つの矩形断層モデル(断層1は27.7m,断層2は5.9mのすべり量)
観測波形と計算波形の比較すると,いずれのモデルも計算波形が観測波形よりも若干大きい.銚子の波形を説明するには,国土地理院の断層2は少し長すぎ,山中モデルがちょうど良さそうである.また,えりもや森で押し波で始まる津波を説明するには国土地理院のモデルが良さそうである.
図1 観測点(検潮所)の位置
図2 観測波形と計算波形の比較
図3 国土地理院モデルによる津波シミュレーションの結果(動画)
★第2報(掲載:3/15)
国土地理院の断層モデルを参考にNOAAのDARTの津波波形が説明できるように断層モデルを修正した.図1と表1に得られた断層モデルを示す.図2にそれらの断層モデルから計算される地殻上下変動を示す.図3に使用したNOAA-DARTブイの位置を示す.図4に観測波形と計算波形の比較を示す.図5に太平洋全域での最大津波波高分布を示す.図6には日本近海での最大津波波高分布を示す.基本的に国土地理院の断層モデルを微調整するだけで遠地津波を説明できることが分かった.
図1 今回の解析で推定された断層モデルと余震域の関係
表1 推定された断層モデル
|
Name |
Lon |
Lat |
Length |
Width |
Slip |
Strike |
Dip |
Rake |
Depth |
Mw |
|
Fault1 |
E143.5 |
N39.0 |
200 |
85 |
28 |
202 |
18 |
97 |
10 |
8.8 |
|
Fault2 |
E142.6522 |
N37.3281 |
170 |
85 |
6 |
201 |
18 |
97 |
10 |
8.2 |
図2 今回の解析で推定された断層モデルから計算される地殻上下変動分布
図3 NOAA-DARTの観測点分布
図4 観測津波波形(黒)と計算津波波形(赤)の比較
図5 太平洋全域での最大津波波高の分布
図6 日本近海での最大津波波高の分布
★第3報(掲載:4/18)
2011年東北太平洋沖地震の津波波形およびGPSデータの同時インバージョン解析結果
・海底近傍堆積物の効果による短周期津波生成
津波波形としては,図1に示す海底津波計(TM1,TM2(東京大学・東北大学),KPG1,KPG2(JAMSTEC)),GPS津波計(GPSB1, GPSB4, GPSB5), DART-NOAA(21401, 21413, 21418, 21419),検潮記録(えりも,森,勝浦(GS11),伊東(GS19))で記録された津波波形を使用する.
GPSの地震時地殻変動観測記録は図2に示す(JPL,ftp://sideshow.jpl.nasa.gov/pub/usrs/ARIA)を使用した.
小断層は長さ50km幅40kmとし54個断層面上に配置した.
走行202°,すべり角は97°に固定した.
図1 津波観測点分布
図2 GPS観測による地震時地殻変動(黒),インバージョン後の計算結果(赤)
図3 観測津波波形とGPS観測による地震時地殻変動の同時インバージョンによりすべり量を推定した結果.
地震モーメントは 33 x 10^21 (Mw 9.0)
図4 観測津波波形(黒)と計算津波波形(赤)の比較
そこで,Tanioka and Seno (2001)が明治三陸津波地震の津波波形解析に用いた海溝極近傍のバックストップ前の堆積物の変形による効果(図5)を計算する.
海溝近傍での水平変動量を計算し,その変動による海底隆起をTanioka and Seno(2001)に従って計算し,Kajiura(1963)の式により海面変動を計算する.その海面変動をすべり量分布から得られた海面変動に加えて津波の数値計算を実施した.得られた津波波形と観測波形の比較を図6に示す.
長周期の津波だけでなく,海底津波計TM1,TM2やGPS津波計GPSB1, GPSB4に見られる大きな短周期の津波はすべり量分布だけよりも上手く説明できているのが分かる.短周期の津波の成因は明治三陸津波地震の津波が大きくなった原因として提案された付加体の効果があった可能性がある.
図5 観測津波波形(黒)と計算津波波形(赤)の比較
図6 観測津波波形(黒)と計算津波波形(赤)の比較
すべり量分布から計算される水平変動から海溝近傍での局所的な変形を計算し,その結果を用いて津波を再計算した結果.
図7 すべり量分布だけから計算される波形とすべり量分布から計算される水平変動から海溝近傍での局所的な変形を計算し,その結果を用いて津波を再計算した結果の比較.
長周期の津波はだけでなくGPS津波計(GPSB1やGPSB4)や海底津波計(TM1, TM2)で観測されている短周期の津波も説明できている.
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【火山活動研究分野:奥山哲博士研究員】
掲載:3/18
陸域観測技術衛星「だいち」搭載のPALSARにより観測された画像を解析しました.
(1)強度画像比較
地震前に観測された画像を水色に,地震後の画像を赤にそれぞれ割り当てて,両者を重ね合わせた画像を作成しました.その結果,赤く表示された部分は津波による冠水域を表します.図1に宮城県,図2に岩手県~宮城県の海岸付近の比較結果を示します.
図1 東松島~名取 ScanSARモード,パス60.地震前観測日2009年1月21日,地震後観測日2011年3月14日
図2 大船渡~石巻 FBSモード,パス401.地震前観測日2010年10月28日,地震後観測日2011年3月15日
(2)干渉処理
2枚のSAR画像から衛星と地表との間の距離の変化を求める,干渉処理と呼ばれる技術を使い,地震に伴う地殻変動を検出しました.その結果,青森県下北半島から震央に向かって水色→紫色→黄色の色の変化が30サイクル以上見られるため,震央に最も近い宮城県牡鹿半島では,地震によって地表が約3.5m衛星から遠ざかった(つまり,地表が沈降したまたは東側へ移動した)ことが推定されます.
図3 干渉処理の結果 FBSモード,パス401,地震前観測日2010年10月28日,地震後観測日2011年3月15日
尚,この結果は暫定的なものであり,今後の解析により結果が変わる可能性があります.
解析に使用したデータは地震WGを通じてJAXAから提供されたものです.PALSARデータの所有権は経済産業省およびJAXAにあります.
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【地震観測研究分野:谷岡勇市郎教授】
★掲載:4/22
2011年東北地方太平洋沖巨大地震はプレート境界型地震であり,断層面上の破壊が海溝まで及んだとの解析結果が多くの研究者によって示されています.その場合,アウターライズの巨大正断層地震の発生する可能性が否定できません.最近では2006年11月に中千島列島沖で巨大地震が発生した後,2007年1月に正断層型巨大地震が発生しました.1933年には三陸沖でも正断層型巨大地震(M8.4)が発生し,三陸沿岸に大きな津波が押し寄せ大災害を発生させました.そこで,今回下記の断層モデルを用いて津波の遡上数値計算を行いましたので報告いたします.
断層モデルは図1に示すように,長さ250㎞,幅100㎞,走行15°・傾斜角45°,すべり角‐90°,すべり量7m,(Mw8.5)としました.
図1 アウターライズ正断層地震の断層モデル
【結果】
・海底地形の影響で仙台平野に特に大きな津波が押し寄せる結果となる(動画1).
・仙台平野では津波の遡上数値計算を実施した.北側で5km程度遡上しているのが分かる.
最大波の到達時刻は南側で2時間後,北側で2時間半後となった.海底地形の影響で後続波が大きくなるのが分かる(動画2).
動画1 アウターライズ正断層型地震による津波予測結果
動画2 仙台平野における遡上数値計算結果
・動画のお取扱いに関するお願い
転用を希望される場合は,所属先・お名前・使用目的を明記の上,
isv-web★mail.sci.hokudai.ac.jp (地域防災情報支援室)までご連絡をお願いいたします.
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【火山活動研究分野】
掲載:3/12
北大が火山観測網でモニタしている北海道内の主要5火山(雌阿寒岳,十勝岳,樽前山,有珠山,北海道駒ヶ岳)および倶多楽では,火山活動に特段の変化は認められない.