十勝・根室沖沿岸に巨大津波を引き起こす地震に関する研究

<概要>

  1. 北大地球環境科学研究院の平川一臣教授が,詳細な地質調査から約500年おきに十勝・根室の沿岸を高さ20mを越える津波が繰り返し襲ってい る ことを明らかにしました.
  2. この巨大津波を引き起こす地震の実体については前回の地震が400年前であったこと以外ほとんどわかっていません.
  3. このため,この地震の特性を明らかにする研究を行っています.
  4. 最終目標はこの地震の発生予測です.
  5. しかし,地震は予測できても津波の発生は止められません.
  6. よって,リアルタイム津波予測と情報提供を行って,被害を最小限に食い止める研究も同時に進めています.

<その1.震源域の推定>

  1. まずはじめに,この地震の震源域を推定することが必要です.
  2. それにより,地震動や津波の特性をある程度推定することが可能となります.
  3. このため定常的に発生している地震の震央分布の空間的な特徴から,震源域を推定することを試みています.

<その2.大津波警報の早期発令のための研究>

  1. この巨大地震は,海溝軸に近い部分が震源域となる可能性が考えられます.
  2. このため,1896年明治三陸津波地震のように震度が小さく津波が異常に大きい「津波地震」となる可能性があります.
  3. つまり,揺れが小さいからといって,津波が小さいとは限らないということです.2004年スマトラ地震津波はその典型です.
  4. これは,防災にとって重大な問題です(揺れが小さいから津波が来ないだろう,という考えになってしまう).
  5. よって,どれだけ早く正確な大津波警報が発令できるかが,減災にとって重要になります.
  6. しかし,現在の気象庁の量的津波予測システムでは,このような巨大な津波地震を正確に把握できない可能性があります.
  7. このため,低周波の変動も正確にとらえる歪地震計を用いて,津波推定に必要な地震モーメントと断層面の広がりをリアルタイムで補足するシステ ムの開発を行っています.

<その3.住民の方々への啓発活動>

  1. 沿岸部にお住まいの方々に,このような津波があることを知っていただくのがまず必要であると考えています.
  2. そのため,如何なる方法でお知らせするのがよいか,現在検討中です.
  3. 手始めとして,日本気象協会北海道支社の半田晋二郎気象予報士によって,NHK帯広放送局で津波防災の解説が始められています.
  4. これを釧路でも行うことが当面の目標です.
  5. 「津波警報」をしっかり聞いていただくための方策を研究中です.