魅惑の研究室生活を解説します





[研究室の1年]

2月中旬 新4年生の研究室配属先が決定し、すぐに研究を始めたくなる人もいます。
3月上旬 大学院生命科学院の修士論文発表会。
3月 研究室を去る人たちの送別会。
4月 研究室に新しく入った人たちの歓迎会。
5〜7月 生殖発生生物学講座合同のジンギスカンパーティー開催。
8月初め オープンキャンパスで高校生向けの実習を実施。
8月下旬 大学院生命科学院の入学試験。
9月〜12月 いろいろな学会への参加。
10月下旬 3年生向けの発生学実習の実施。
11月下旬 大学院生命科学院の修士論文中間審査会。
12月 忘年会。
2月上旬 4年生による卒業研究発表会。

その他@ 不定期ですが小谷研との合同セミナーおよび懇親会が開催されています。
その他A 研究室の学生さんたちは自分の都合に合わせて自由に休みをとっています。






[研究室の1日]

8:00 このくらいに木村が出勤します。
9:00 この時間までに学生が来ることになっていますが、万が一遅刻した場合は・・・・・・。

9:00−12:00 グループのセミナーがある場合はセミナーを行い、ない場合は実験、データの整理、論文のお勉強などを行います。

12:00くらい? 昼食は各自空いた時間でとります。学食で食べたり、購買で買ってきたり、自分で弁当を作ってきたりとさまざまです。

12:00−18:00 再び実験、データの整理、論文のお勉強などを行います。
18:00−? 帰宅時間は各自まちまちですが、夜を徹した作業を日常的にすることは推奨しておりません。

その他@ いわゆるコアタイムというものは平日の9:00から18:00です。
その他A 木村とのディスカッションは必要に応じて日常的に行われています。
その他B 学会やその他の発表が近づいた場合には、発表の練習を複数回にわたって行います。
その他C 日によっては学外から北大を訪問した先生が開くセミナーに参加することもあります。
その他D 学生実習や高校生向けの実習が近づいた時にはその準備を行います。意外と大変です。







[研究室生活につい ての解説]



研究室の日常



理学部5号館10階の1006室と1005室を勝義直教授のグループと共同でメイン実験室として使わせていただいております。この体制は 2016年4月に始まったものですが、勝研究室と研究面はもちろんのこと生活面でもよい協力関係を築いています。



木村グループのセミナー



木村グループでは現在2週に1度のペースで、それぞれの学生たちの研究進展状況と最近出された興味深い論文の内容を紹介するためのセミナーを開いていま す。現在は荻原研と合同開催になっています。荻原先生からはとても的確なア ドバイスをいつもいただいて、大変ありがたい限りです。このセミナーを通じて学生た ちは自分の研究の問題点や改善点などを整理して日々の研究に役立てるとともに、最新の世界の研究動向を知ることになります(もちろん普段から自分で必要な 論文を読むことが重要ですが・・・)。



生殖発生トーク



生殖発生トークとは「生殖発生生物学講座に所属する学生が自分の研究内容を披露して、それについて講座の構成員全員で熱く議論することによって、お互いの 研究発展に役立てるとともに研究室間の交流を深める」ために企画されたものです。教員やポスドクなどのスタッフが発表することもあります。今年度は毎月1〜2回水曜日の16時から理学部5号館813室で開催されています。講座外の方々(もちろん2年生や3年生の学生たちも)の参加も歓迎します。今年度の予定は「こちら」 です。



生殖発生生物学講座について



生殖発生生物学講座とは以下のような構成で成り立っています。生殖発生トークを合同で行ったり、ジンギスカンパーティーを合同で行うほか、ふだんから学生 同士、教員同士で多くの交流があります。他の研究グループのホームページは「リンク」 から見ることができます。

−勝義直教授
−黒岩麻里教授・吉田郁也助教・水島秀成助教
−北田一博准教授
−小谷友也准教授
−木村グループ
−荻原克益准教授




生殖発生生物学講座II合同の「英語による研究発表会」



これは学生たち自らの発案によって行われていた企画です。英語を用いたプレゼンテーションというのは研究者になる人はもちろん、企業に就職する人でも必ず必要 とされるスキルだと考えています。10分程度で自分の研究をまとめて英語で発表してその後の質疑応答に耐えることにより、このスキルが少しずつ磨かれておりました。留学生が増えた現在は開催されておらず、その代わりに通常のセミナーを英語で行うことが多くなっています。



RNA研究会



生物学専修には遺伝子の発現に関するさまざまな事象(転写、RNAプロセッシング、RNA安定性、RNA分解)やnoncoding RNAに興味を持つ教員・学生がたくさんいます。この研究会は形態機能学講座の伊藤先生が中心となって開催されていたもので、世の中で発表されたRNAに 関する重要な総説論文をみんなで勉強することによって、RNA研究に関する最新の知見を得ると同時に自分の研究に活かしていこう、という趣旨のものでした。 木村グループにとってもこの勉強会で得るものは大きいのですが、現在は休止しています。



大学院生命科学院博士課程



当研究室の大学院生は生命科学院システム科学コースに所属します。 博士課程は基本的に講義はなく、日々自分の研究を発展させるために努力するのみです。自分が発見した世界初の成果を1つでも多く学術論文として発表するこ とに専念してください。



大学院生命科学院修士課程



当研究室の大学院生は生命科学院システム科学コースに所属します。修士課程の学生はたいてい1年生の時にたくさんの講義を履修しながら実験を進めることに なります。首尾よく講義の単位が取れた場合には2年生からさらに実験に打ち込むことができます。ただし就職活動がある場合には研究との両立に悩む学生も多 いようです。こうしていろいろありながらも何とか修士課程を卒業できる見込みがたった学生は2年生の11月下旬に主指導教員(木村)と副指導教員(木村以 外の先生2−4人程度)による中間審査を受けます。この場で指摘された問題点などを残された時間で改善し、3月までには修士論文を完成させて口頭による発表会に臨むことになります。この発表会では優れた内容の学生に優秀発表者賞が贈られることになっており、それを目指して頑張るのがよいでしょう。



学部4 年生



当研究室は理学部生物科学科(生物学)から学生が配属されます。多くの学生はすでに大半の単位を取り終わっていますが、足りない場合や教職課程の単位取得 を 目指す学生は講義を受けながら実験を進めることも多いです。最初はまったくの初心者であるため、先輩や指導教員につきっきりで実験を教えてもらい、多くの 場合2-3ヶ月程度経つと1人で実験することが可能になります。大学院に進学する場合は7月終わりから大学院入学試験までの1ヶ月程度の集中勉強期間をと ることが許され、この期間でさらに知識を深めることができます。生殖発生生物学講座では上述した生殖発生トークの11月と12月を4年生の中間審査の月と位置づけており、この場で口頭発表をすることによって自分の研究に対する理解度や実験の問題点などを確認します。最終的には2月始めに生物学科に関係するすべての方々に向けたポスター発表を行って、その審査結果によって卒業できるかどうかが決まります。当研究室ではこの他に3月末日までに卒業研究を論文にもまとめることを義務づけています。



学会



木村は現在6つの学会に所属しています(「研究室構成員」のページを参照)。自分たちが発見した新しい知見はまずこれらの学会で発表しましょう。当研究室で参加する学会の年会はだいたい9月から12月に集中していますが、それ以外にも希望する学会・シンポジウムに参加することができます。時にはアメリカの学会に参加することもあります。学会ではポスター発表か口頭発表のどちらかを行いますが、いずれも自分の研究の問題点を確認するだけでなくプレゼンテーション能力を磨くために重要です。また他の研究者との交流の場としての意義も大きいので、普段会えない他大学の研究者や学生たちと大いにふれあいましょう。



論文



研究者の最大の責務は自分が発見した内容を論文としてまとめて発表することです。新しい成果を論文としてまとめあげたなら、分野とレベルがマッチした学術雑誌に投稿しましょう。投稿された雑誌の編集者は内容を確認してから、2−3人のreviewerと呼ばれる研究者たちに査読を依頼します。1−2ヶ月程度で査読が終わると、編集者はreviewerたちのコメントをもとにしてその論文を雑誌に掲載するかどうか判断し、我々に通知します。なお、reviewerが誰なのかを我々が知ることは通常できません。投稿論文はそのままのかたちで採択されることはほとんどなく、たいてい不採択か論文の修正を指示されます。場合によってはreviewerにまわらないままに編集者によって不採択にされることもあります。自分の論文が不採択にされたり、大幅な 修正を求められることはよくあることですので、めげずに頑張りましょう。どんな雑誌であっても、自分の成果が掲載されれば大きな喜びとなります。



TA (Teaching Assistant)



大学院生になるとTAとして働くことが認められます。TAとはさまざまな学生実習(や講義)で教員の手伝いをする業務を担います。例えば学生実習のTAは実習のための準備を行い、実習当日も教員と一緒に学生の指導にあたります。TAをすることで実習の準備がとても大変であることを知り、下級生に説明するこ との難しさを知ります。お金が稼げるだけでなく、さまざまな面で成長できるよい機会ですので、チャンスがあればTAとして働いてみましょう。



高校生や下級生に対する活動



現代の大学では高校生をはじめとする一般の方々に対して大学の研究を理解していただくような活動が求められています。我々のグループでは、オープンキャンパスの高校生限定プログラムに実習を提供することなどによって、このような責務を果たしています。また、北大の場合には移行する学部学科が決定してい ない1年生に対して学科や研究室の内容を説明することも求められていますが、こちらは学科の要請があれば協力しています。なお、理学部生物科学科(生物 学)の2年生と3年生の学生さんについては、希望があればいつでも研究室見学が可能ですのでお気軽に申し出てください。



理学部卓球同好会



理学部にはなぜか卓球経験者が数多く在籍しており、理学部卓球同好会が結成されました。同好会会長はもちろん小川先生です。毎週火曜日と木曜日の18:10くらいから19:50くらいまで、理学部2号館5号館の共通正面玄関ロビーで2台の卓球台を使って活動しています。理学部関係者が中心ですが、希望すればどなたでも(もちろん初心者でも)参加することが可能ですので、お気軽に声をかけてみてくだ さい。逆に木村に声をかけられた場合も迷わず楽しみましょう。






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