理学研究院AL推進室・ALP企画シンポジウム 「自然科学のためのアクティブラーニング」

 理学研究院アクティブラーニング(AL)推進室と物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)では,平成28年3月11日(金)13:30から理学部3号館309教室において、自然科学を教える教員のためのアクティブラーニング事例を学ぶシンポジウムを開催しました。当日は,約50名(教員35名,学生10名,学外者6名)の参加があり,教室が満席になる盛況でした。

 理学研究院グループワークや課題解決型学修など学生の能動的な学修を取り入れたアクティブラーニングは,大学教育においても推奨され,その導入に向けて多くの取り組みがなされています。自然科学の分野では,従来からの実験・実習や演習,セミナー等に加え,講義型の通常の授業においてもアクティブラーニングが導入されるようになってきました。しかし,「多くの知識を伝えなくてはいけない通常の授業にアクティブラーニングを取り入れて効果はあるのか?」などという疑問の声もあります。

 この度のシンポジウムでは,自然科学の分野でアクティブラーニングを実践している教員を大学のみならず高校からもお招きし,具体的な実践例と実践を通して見えてきた「学習効果や課題」について紹介していただきました。終盤はパネルディスカッション,参加者からの質疑を行い,自然科学の授業におけるアクティブラーニングについて忌憚のない意見を交わすことができました。

理学院長の挨拶と参加者
理学院長の挨拶と参加者

 シンポジウムは,鈴木德行理学院長による挨拶で始まり,続いて4名の講師の方による講演が行われました。先端生命科学研究院の古澤和也氏と理学研究院リーディングプログラム推進室の黒田紘敏氏からは,本学の授業で試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいるアクティブラーニングの事例について紹介いただき,その学習効果や今後の課題についてお話しいただきました。東京大学・大学総合教育研究センターの中澤明子氏は,「アクティブラーニングで自然科学を楽しむ」と題する授業の企画・実践を通して見えてきたアクティブラーニングの教育効果や課題についてお話し下さいました。熊本県立苓明高等学校で生物を教える溝上広樹氏は,実際に授業で行っているワークを入れながらの講演をして下さいました。写真に写っているものを見せて考えさせる看図アプローチ等,授業で使える興味深いワークを参加者全員で体感することができ,アクティブラーニングで高校生の授業に取り組む姿勢が大きく変わることを実感しながら聞くことができました。

講演の様子
講演の様子

 シンポジウムの最後には,「アクティブラーニングで自然科学教育は変わるか」というテーマでパネルディスカッションを行いました。本学新渡戸スクールでアクティブラーニング授業を担当する難波美帆氏がコーディネーターとなり,4名の講師の方にパネリストとして登壇いただき,講演内容を中心に参加者から寄せられた質問への回答を交えながら議論し,盛会の内に終了しました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

  参加者を対象とするアンケート調査では,アクティブラーニングに関する勉強会等があれば参加したいとの回答が多くありました。また,AL推進室に授業設計について相談できる機会・人の提供や授業のアシスタントのような支援を期待する声が寄せられています。

 なお、アンケート結果についてはこちら(アンケート結果)をご覧ください。