地球上には多種多様な生物が生息しています。我々のまわりでは植物、昆虫、魚、鳥獣など様々な生物を日常的に目にすることができます。生物の種数はこれまで知られているだけで約150万種、実際にはその10倍から100倍の種数(つまり、数千万~一億種)が存在すると言われています。なかでも、動物は最も多くの種数を含むグループです。では、現在生息する多様な動物は、
・どこでどのように生じてきたのだろうか?
・地球上にはどの位の種数が生息するのだろうか?
・他の生物とどのような関係を保ちながら生活しているのだろうか?
こういった問題に興味を持ち、その答えを得ようと努力しているのが我々の研究室です。
担当教員

教授
柁原 宏 / Hiroshi Kajihara
- 系統分類学
- 紐形動物門は主に海産の無脊椎動物であり、世界に約1200種が知られています。わが国からはこれまでに約120種が報告されていますが、その多くは分類学的に未解決の問題を残しています。更に、日本沿岸には多くの未記載種・未記録種が生息しており、日本産紐系動物相の解明のためには今後の調査・研究が必要です。

准教授
加藤 徹 / Toru Katoh
- 分子系統学・集団遺伝学
- http://www.sci.hokudai.ac.jp/~tkatoh/
- 昆虫を主な研究対象とし、DNAの遺伝的変異を指標に、種の系統関係や集団の歴史を探る研究を行っています。これには、分子系統学、分子進化学、および集団遺伝学などの分野が含まれます。昆虫は既知の生物種全体の半分以上の割合を占めていることから、彼らの進化の様相を解明することで、生物多様性の起源について理解を深めることを目標としています。

講師
角井 敬知 / Keiichi Kakui
- 動物系統分類学
- http://sites.google.com/site/tnidjpn/
- タナイス目という体長数ミリ程度の小型水生甲殻類を主に研究しています。形態とDNA情報をもとに記載分類や系統推定を進める傍ら、タナイス目であまり例の無い飼育実験や様々な形態観察手法を組み合わせることで、生殖様式や形態進化などの課題にも取り組んでいます。

アンビシャス特別助教
露木 葵唯 / Aoi Tsuyuki
- 動物系統分類学・形態学
- 私が研究対象としているヒラムシは、海に棲む扁形動物の1グループです。背面に広がるカラフルな模様や独特の交尾様式など、不思議な魅力をもつ動物ですが、世間一般の認知度が極めて低い動物群の1つでもあり、長年にわたりきちんと種を同定できる研究者が存在しませんでした。そのため、未だに正体がわからないヒラムシがたくさん存在します。ひいては、私たち人類の生活にどのような影響を与える可能性があるのか、全くの未知数です。こういった生物群に着目した研究の積み重ねが、新たな面白い事象の発見や、持続的な環境づくりへの基盤につながると考え、日々研究に励んでいます。