施設紹介

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生物はDNAや染色体に記録された遺伝情報をもとに体を作り、様々な生命活動を営んでいる。一つの生物を作りあげるために必要な全遺伝情報のセットがゲノムである。ヒトのDNAは23対46本の染色体として細胞の核の中に収納されている。一個の受精卵から体が形作られていく発生過程や個々の細胞が置かれた環境に応じて、染色体から必要な遺伝情報が読み出され、その情報に従って適切な反応が起こることにより生物は発生や組織分化を正常に進める。また、環境の変化にもかかわらず体の状態を一定に維持したり、環境中の物質を利用したりできるようになる。DNAや染色体に記録された情報から様々な生命現象が導かれる遺伝子発現の過程は巧妙に制御されており、この過程の異常や、細胞から細胞へとゲノムが受け継がれる過程で遺伝情報自体に異常が起こると、多くの場合、発生異常や病気となって現れる。また、ゲノムは40億年にわたる生命進化の過程で変化し、多種多様な生物を生み出してきた。言い換えれば、現存する多様な生物のゲノムには40億年の生物進化の歴史が刻まれている。さらに、我々の生活を豊かにし、人類の発展を持続可能なものとするために、生物が持つ機能を活用することが期待されている。生物の複雑で巧妙な仕組みを理解し、その機能を利用していくためには、ゲノムに記録された遺伝情報とその制御機構を解析していくことが必要になる。

ゲノムダイナミクス研究センターは、実験生物利用部門動物染色体利用部門遺伝子実験利用部門の3部門から構成されており、DNAや染色体に記録された遺伝情報がゲノムとして統合的に制御され脳神経機能に代表されるような高次の機能を有する生物をつくりあげる機構や、環境変化に対応した遺伝子発現を通して生物が生理条件を適切に制御する機構、ゲノムが親から子へと伝えられるために重要な生殖細胞の形成機構などに関する研究や、多様な生物と生命現象を生み出し進化の原動力となるゲノムや染色体の構造変化とその影響に関する研究などの生物学の基礎的研究はもとより、応用研究を含む現代の生命関連諸科学に欠くことのできないゲノム研究に必要となる設備機器や技術を全学に提供している。さらに、研究対象として様々な生物を飼育・栽培できる設備と技術を提供し、多様な研究に対して支援を行っている。運営に携わる教員は理学研究院・生命理学部門生命機能科学分野と自然史科学部門多様性生物学分野に所属し、ゲノムの構造と機能、進化に関する研究プロジェクトを推進している。また、センターは理学研究院・生命科学院等の教育にも活用されている。