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研究室紹介

diversity

 当研究室の遺伝的多様性研究は旧理学部附属動物染色体研究施設における遺伝学的研究に始まり、現在は理学研究院附属ゲノムダイナミクス研究センターにおいて研究を推進しています。
 教員と学生の組織上の所属は以下の三層構造になっていますが、同じ研究室にて研究生活を送っています:教員は大学院理学研究院(自然史科学部門多様性生物学分野)、院生は大学院理学院(自然史科学専攻多様性生物学講座)、学部生は理学部生物科学科に所属。
 当研究室では、主に食肉哺乳類や鳥類を対象とした遺伝子分析により、日本列島の固有動物相の成立機構や生物地理的歴史を明らかにしたいと考えています。ブラキストン線のような日本周辺の生物地理境界線の意義に関する再検討も必要です。そのためには、進化の過程が刻まれているDNAの遺伝情報を解読し、種や集団の分子系統進化学および集団遺伝学に取り組んでいます。現存する種や集団に加えて、絶滅種や絶滅集団の標本を対象とした古代DNA分析を導入し、過去から現代までの多様性変遷を明らかにしたいと考えています。得られる成果は、未来の動物集団の姿を予測するための基礎データにもなるため、絶滅危惧種の保全生物学にも貢献できます。さらに、分子考古学的研究により古代文化交流を明らかにできることもあります
 一方、野外から非侵襲的に得られる動物糞を用いた遺伝子解析技術を開発し、限られた地域に生息する動物の個体識別や行動・分布域を解明することも、生物地理学的研究に含まれます。また、人間活動のグローバル化にともなって増加している外来種の分布拡大や在来種への遺伝子攪乱等の問題も、生物地理学が取り組むべき課題であると考えています。

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主な研究分野

  • イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコの分子系統と起源
  • ヒグマ北海道集団の三重構造
  • オホーツク期の古代ヒグマによる異文化間交流
  • キタキツネの集団遺伝学と形態的特徴
  • シマフクロウ、タンチョウの遺伝的多様性の変遷
  • イタチ科日本固有種(ニホンイタチ、アナグマ等)の分子系統地理
  • 日本ハクビシンの起源と多様性
  • 糞を用いた非侵襲的遺伝子解析法の開発と応用

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キーワード

遺伝的多様性、集団遺伝、分子系統進化、古代DNA、生物地理、保全生物学

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