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佐々木克徳 講師インタビュー

佐々木克徳先生
ささきよしのりプロフィール

札幌市出身。2003年北海道大学理学部 地球物理学科卒業、2005年北海道大学理学研究科 地球惑星科学専攻前期課程修了、2008年北海道大学理学研究科 地球惑星科学専攻後期課程修了。
2008年4月から2010年11月までハワイ大学国際太平洋研究センター ポスドク研究員、2010年12月から2013年3月まで北海道大学大学院理学研究院 研究員、2013年4月から講師。2018年2月から現職。
研究分野は海洋物理、大気海洋相互作用。

世界の研究者とともに、地球規模の課題に取り組む

佐々木先生の研究について、できるだけ簡単に教えてください。

大気と海洋のつながりを解明することは、気候変動の問題を解き明かすためにたいへん重要です。メキシコ湾流や黒潮、黒潮続流といった海流の強いところを「ジェット」といいますが、私はこのジェットがどのようなメカニズムで変化しているか、ジェットが変化すると沿岸の水位はどう変わるのか、ジェットが熱帯地方から運んできた熱を大気に放出し大気にどのように影響しているか、といったことを研究しています。これらの研究は地球上で起こるさまざまな課題につながっていて、たとえば、地球温暖化にも密接に関係しています。

研究の魅力や、おもしろさはどこにありますか?

海洋や大気は世界中つながっていますから、世界中の多くの研究者とコラボレーションしながら、一緒に研究できることが大きな魅力です。テーマの違う者同士が意見交換し、分からないことを解明していくのはとても楽しくエキサイティングです。私は2年半ほどハワイの研究所にいましたが、ドイツ人のボスのもと、イギリス、中国、アメリカ、日本などのメンバーが集まって研究を行っていました。いろいろな意見や考え方があることがわかり、とてもいい経験になったと思います。

研究生活のなかで、大事にしていることはありますか?

できるかぎり新しいことを探して研究する、今までにない新しい方法やアイディアを取り入れていく、ということを大事にしています。そうしないと研究の領域は広がっていかないと思います。もちろん、新しいアイディアを考えつくことは難しく、「これはいける」と思って研究を始めてもムダになる場合も多いです。でもあきらめず、常に新しいことに挑戦し続けたいと思っています。それから、今の研究者は世界へ出ていくことが当たり前になっていますから、世界に目を向けることも大事にしています。

「海洋気候物理学研究室」の特長は? ここで学ぶとどんな力が身につきますか?

「海洋物理学」と「気象学」を横断してやっている研究室は、世界的にみてもめずらしく、貴重な存在です。ここで学ぶとその両方に触れることができますし、興味の幅も大きく広がり、自分が知りたいと思ったことを追求できる、非常に恵まれた環境だと思います。また、卒業論文や修士論文の作成を通してテーマを論理的に組み立て、文章化し発表することで、その後どんな業種につくとしても、すべての分野でベースとなる力を身につけることができます。

最後に、学生のみなさんへメッセージをお願いします。

佐々木克徳先生

この研究室の大きなテーマである「気候変動」は、これからも世界的に重要なテーマであり、解明すべき課題がまだ数多く存在しています。今日明日のお天気といった短い周期だけでなく、5年先、10年先といった長い周期の気候について考えてみたいと思う人は、ぜひ一緒に研究しましょう。興味のある人は、まずは研究室へ見学に来てみてください。お待ちしています。