新しい技術:乾式研磨法

北海道大学 薄片技術室では、多種多様な依頼に応えられることを目的とした上で、より精度の高い試料調製を目指しており、

国立研究開発法人 産業技術総合研究所で開発された
「乾式研磨法による脆弱試料薄片の作製法」※1
の習得に取り組んでおります。

※1 産業技術総合研究所 「乾式研磨法による脆弱試料薄片の作製法」(特許第5633078号)地質試料調製グループ 大和田朗ら

 

≪非加熱・無水≫による薄片作製

作製工程の全てにおいて、一切加熱せず、全ての液体(水・油・溶液等)を使用することなく、厚さ30μmの試料調製を可能としました。

潤滑液・冷却液が試料へ齎す膨潤や脱落を防ぎ、凹凸差の少ない平滑面を高精度で提供します。

乾燥や接着時、高温によって起こる試料変質や組織破壊を最小限に抑えます。
常に前向きに!より高い精度へ!!  これからも自己研鑽に努めます。

*乾式研磨法による試料調製技術は「はやぶさ2」帰還試料など有機物や生命の起源の研究に役立つ技術と期待されています。

高精度の平面つくりを支える技法のひとつ台座(ゲタ)

高精度な平滑面を作るための技法のひとつ。 台座(通称 ゲタ)

接着面の出来が薄片の出来を左右します

薄片の精度は接着面の完成度で決まります。

乾式研磨法は、薄片技術初の特許取得技術です。
当技術室は、大学・研究機関で初めて使用権を取得しました。
これからも幅広い研究支援体制の充実を図ります。

 

SiC研磨紙での面出し研磨

SiC研磨紙を使用した平面研磨。

液体を一切使用せずに高精度研磨面を実現した特殊研磨技術

液体を使用せずに高精度な研磨面を実現した特殊研磨技術。

粘土試料の乾式研磨
乾式研磨による膨潤性の高い粘土試料の薄片。

水や油を使えない、脆いが樹脂浸透し難い、ダイヤモンド研磨材による仕上げが不可能とされる脆弱試料でも「乾式研磨」は高精度な研磨面を約束します。