学生インタビュー:学部生


氏名  :山花弘明/Hiroaki YAMAHANA
学年  :学部4年
指導教員:村井芳夫 准教授
研究内容:海底地震活動


【略歴】
2019年04月:北海道大学理学部地球惑星科学科入学
2022年03月:地震火山研究観測センター配属


Q. 海底・地震津波研究分野を志望した理由や決め手を教えてください。

プレート沈み込み帯周辺の地震に興味があったからです。特にこの分野では船に乗って沖合まで行き自分たちで観測を行っていると聞き、そのような観測研究に魅力を感じたからです。
とはいえ地震に限らず気象や宇宙、火山など他分野の現象にも興味を持っていましたので、配属希望調査を提出する直前までどの研究室を希望するかは迷っていました。私は3年生の「地球計測実習」で参加した火山観測をきっかけに,卒業研究では観測研究をしたいと思っていました。誰も知らない情報を自分で取りに行くことの魅力と重要性を感じたからです。地震火山センターには火山活動研究分野もありますのでいろいろ迷いましたが、海や海底下の観測はもちろん未経験だったので、せっかくなら大学では広く学びたいと思いこの分野を選びました。

Q. すでに観測には行かれたのでしょうか?

10月と11月に行われた今年度の観測に私も参加してきました。陸上観測点からは遠くて明瞭に観測できない海底下の地震を捉えたいので、自分たちで沖合に行って観測しています。観測の際は「OBS」と呼ばれる海底用の地震計を自分たちで組み立て、船に乗って設置しに行きます。やはり自分自身で観測を行ってデータを取ると、観測されたデータの理解も格段に進むといま実感しているところです。

Q. いま現在どのような研究を行っているのか簡単に教えてください。

北海道沖で沈み込むプレートに関連した地震活動を、地震火山センターがこれまでに取得してきた観測データを通じて詳細に調べようとしています。北海道沖の海底にはS-netという大規模な観測網もありますが、私たちはOBS群をより局所的に高密度で設置してローカルな観測を行っています。このデータを利用して、地震の高感度な検出と正確な震源決定をするのがいまの私の目標です。それができれば沈み込み帯の地震発生メカニズムについての理解を深められますし、ゆくゆくはプレート境界の巨大地震の予測にも貢献できると考えられます

Q. 研究室に配属された後はどのような生活をしていますか?

海底地震の研究のために勉強やプログラミングをしつつ、息抜きにキャンパスの散歩や研究室のメンバーとの雑談をして過ごしています。地震火山センターには4つの研究分野ありますが、学生部屋はどの分野でも同じですので他の分野の学生も同じ研究室メンバーだと思っています。休日には研究室のメンバーとマラソンに参加したり、サケの遡上を見に行ったりすることもあります。大半は研究で試行錯誤を繰り返す日々ですが、火山・地下構造・陸域地震など幅広い分野と手法を扱うメンバーたちとの交流のおかげで、研究生活も日常生活も新鮮で楽しく彩られています。

Q. 最後に、海底地震・津波研究分野を志望している後輩にメッセージをお願いします。

ここは他分野との交流も盛んで、狭い分野に捕らわれない自由な発想ができる場所だと思います。海域や沿岸の諸現象に興味がある方はもちろん、分野は関係なく観測活動に興味がある方もぜひ、気軽に研究室へ遊びに来てください。

氏名  :俣野未羽/Miu MATANO
学年  :学部4年
指導教員:谷岡勇市郎 教授
研究内容:津波の即時予測


【略歴】
2021年04月:北海道大学理学部地球惑星科学科3年次編入学
2022年03月:地震火山研究観測センター配属


Q. 海底・地震津波研究分野を志望した理由や決め手を教えてください。

色々迷っていたのですが最終的には谷岡先生にご指導いただきたいと思い、この分野を選びました。地震火山センターに配属されてから約1か月間で他の分野も含めて多くの先生方と面談させてもらいましたが、研究活動に対する私のイメージと谷岡先生の考え方が近かった気がしましたし、私が卒業研究として大まかにやりたいとイメージしていたことも谷岡先生の研究分野と一致していると思ったので決めました。

Q. 研究室に配属された後はどのような生活をしていますか?

基本的には朝に研究室に来て夕方まで研究室にいることが多いです。研究に行き詰った時は同期や先輩方、先生方と議論したりアドバイスをいただいたりすることもあります。また週に1回ずつ雑誌会と地震ゼミというゼミが開かれているので、毎週これらに参加しています。雑誌会では半期に1回、地震ゼミでは半期に2~3回程度の発表が割り当てられるので、研究をしつつその発表準備をしたりしています。

Q. 卒業研究・卒業論文に関するおおまかなタイムスケジュールを教えてください。

私の場合は、卒業研究の具体的な研究テーマは5月に決まりました。テーマが決まった後は少しずつ研究を進めつつ、またゼミの発表をこなしていき、9月に地球惑星科学科の卒業研究中間発表会に参加しました。中間発表はポスター発表形式で、多くの先輩方や先生方にご意見やアドバイスをいただきました。その後さらに研究を進めつつ、10月には学会(初)で口頭発表(初)を行いました(とても緊張しました….)。いま現在12月ですが、そろそろ卒業論文を執筆し始めるような時期です。また2月には最終発表会があるのでそれに向けてラストスパートをかけていくような感じです。

Q. いま現在どのような研究を行っていますか?

さきほど山花君がS-netについて話していましたが、私はS-netを用いた津波の即時予測に関する研究を行っています。S-netは海底で水圧などの圧力も連続的に観測していますが、津波が発生した場合には観測される圧力が時々刻々変化します。これを用いた津波の即時予測手法について、数値実験(シミュレーション)ベースで検討しています。

Q. 最後に、海底地震・津波研究分野を志望している後輩にメッセージをお願いします。

この分野は先生方も先輩方も話しやすい方ばかりです。留学生の先輩方もフレンドリーに話しかけてくれます。また、真摯に研究に取り組んでいる同期や先輩の姿に刺激を受けながら充実した研究室生活を過ごすことができています。興味を持った方は是非、研究室に遊びに来てみてください。

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