Q7. 北海道太平洋側の400~500年周期の連動型地震の発生について、M8前後を繰り返す複数の領域が400~500年毎に「同時に歪みエネルギー蓄積が満期になる」ため起こるのでしょうか?または、個別領域の満期とは無関係に(2003年十勝沖のような比較的最近発生した領域も含め)起こるのでしょうか?

A. 実際どのような仕組みになっているかは良く分かっていません。次は1つの説だとお考えください。例えば、2003年十勝沖のようなM8の地震では歪みが解消しきれていないと考えることもできます。過去100年程度の検潮記録によると北海道太平洋沿岸は継続して沈降しています(M8の地震が起こっているにもかかわらず)。しかし、地形学的な長期間(10万年オーダー)で見ると実は隆起しています(平均するとその速度は小さいですが)。

この違いを説明するために、過去100年では観測できていない400-500年間隔のM9クラスの巨大地震で歪みを解消しているのではと考える訳です。つまり、2003年十勝沖地震では歪みの一部しか解放していないと考えることもできる訳です。様々な仮説から真実を探りだすため現在、地震火山研究観測センターでは研究を推進しています。(地震観測研究分野 谷岡勇市郎)