Q8. 余震は、本震の破壊域(すべり域)の破壊せず残った部分(割れ残り部)に起因するとされておりますが、3月11日のM9についても、震源断層のメカニズム解析で、3月9日の(最大)前震・3月11日の本震・それ以降のM7前後のいくつかの余震などの破壊領域はラップしていないと言えるのでしょうか?

A. これも難しい質問です。余震はどうして発生するのかとの質問になってきます。本震で破壊しなかった部分が余震で破壊すると考えるのも1つのメカニズムでしょう。でも、震源域で発生している余震はたぶんそれだけではないと考えます。

大きく破壊された断層はそれ自体は歪みが解放されますが、近傍では様々な現象が非常に局所的に起こっています。その局所的な歪みを解消するために小さな地震が発生し余震となっていると考えられます。それらの余震は全て断層近傍で発生しますので、余震域が本震の震源域と重なり、オーバーラップしているように見えます。逆にオーバーラップしないとおかしい訳です。しかし、大きな余震や前震はやはり本震で大きく破壊した場所と住み分けていると考えるのが適切かと思います。

この問題も、余震の位置と本震の震源域を本当に精度良く決定する研究が進めば将来はっきり見えて来る問題でしょう。今後の進展が期待されます。(地震観測研究分野 谷岡勇市郎)