Q9. 地震発生時、発光現象がよくみられるそうですが、近頃では地震兵器のプラズマでは?との都市伝説も囁かれているようです。科学的に解明すると、どのようにして発光現象が起きるのでしょうか?

A. 地震発生時に発光現象が見られたという報告はよくありますが、それが地震と関連していると確かめられているものはほとんどありません。多くの場合、電線のショートであるとか、火事、爆発によるものです。4月7日のNHK報道で見られた発光も、直後に停電が起こっていることから送電線のショートによるものではないかと思います。

大地震や親しい人の死といった非常に印象的な出来事が起こった時に、普段から起こっていることとその印象的な出来事を結び付けて考えてしまうことがあります。

例えば、2011年3月24日付時事通信社の記事によると、地面に落ちている黄色い塊が放射性物質ではないかという問い合わせが気象庁天気相談所に多く寄せられたそうです。この黄色い塊はスギ花粉であって、放射性物質ではありませんでした。このような問い合わせはこの年が初めてだったそうです。この問い合わせの前に原発事故が発生し、多くの方が放射性物質に強い関心を持っていたという背景があります。黄色い塊は毎年落ちていたはずで,問い合わせをした方も見たことはあったはずですが、これまで気にとめていなかったことを原発事故という印象的な出来事に結び付けてしまったというよい例だと思います。

このように地震発光現象は興味深い現象ではありますが、それが地震と本当に結びついているかは慎重に検証する必要があるというのが現状です。(地下構造研究分野 柿並義宏)