Information about the Nagai Lab. in Department of Earth & Planetary Science, Hokkaido Univ., JAPAN

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私が現在どんなことに興味を持っているかを簡単に紹介します。

(1)ペロブスカイト構造を持った鉱物の固溶関係と結晶化学

地球の下部マントルの主要構成鉱物と考えられている鉱物はペロブスカイト構造を持ったケイ酸塩鉱物MgSiO3です。ペロブスカイト構造は、各種の陽イオンの置換に寛容な構造です。どのような元素がどのようなメカニズムでペロブスカイト構造中に固溶するかを明らかにすることは、下部マントルの化学進化を考える上で重要です。大気圧下で合成可能なCaTiO3を用いた異なる価数の陽イオンの置換メカニズム、ダイヤモンドアンビルセル・ピストンシリンダー・マルチアンビルなど高圧発生装置を利用したケイ酸塩ペロブスカイトの各種元素の固溶問題を中心に研究しています。マルチアンビルを使った研究は、広島大学の井上徹先生と愛媛大学GRCとの共同研究を行っています。

(2)含水鉱物への水のダイナミカルな挙動

水は太陽系惑星の中で地球を特徴づける物質であり、水と鉱物の相互作用の理解こそが地球物質科学の根本的課題の一つです。近年のプルームテクトニクスによる地球のダイナミックな描像は、地球表層と深部が物質科学的に密接にリンクした一つのシステムであり、水の挙動は、地球を理解する上での最重要課題といっても過言ではありません。地球表層の水が鉱物中にどのような形で固定され、水素結合をはじめとする化学結合の形態が、地球深部に鉱物が取り込まれるにつれてどのように変化していくのかを物質科学的に明らかにすること、また、水素は結晶中であっても高温下では非常に高い移動度が予想されることから、鉱物中に取り込まれた水素が地球深部の高温高圧下でどのようなダイナミカルな挙動を示すのかを原子レベルで明らかにすることは大変興味深いことです。

(3)準安定な鉱物の結晶成長

サンゴ骨格を構成する炭酸塩鉱物のアラゴナイトは地球表層の条件では熱力学的には本来準安定な鉱物です(安定なのは方解石)。このような準安定な鉱物がどうして成長するのかは古くからの謎で、現在でも満足のいく説明はされていません。このような問題への新しい切り口を求めた研究を模索中です。この研究は同じ研究グループの、川野潤先生との共同研究で行っています。

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