講義 - 綿引雅昭 研究室 北海道大学 大学院理学研究院

生物学I (学部1年)

生物学は,大きく二つの分野に分けられる。生物を構成する基本単位である細胞の構造と機能を中心に、生物の共通性について調べる「細胞生物学」分野と,地球上において放散・進化してきたさまざまな生物個体を出発点に、生物の多様なあり方を調べる「生物多様性」分野である。生物学Iでは,すべての生物に共通する原理「細胞生物学」の基礎を理解する。

形態機能学I (学部3年)

維管束植物は陸上植物の大部分を占めており、食糧源としてだけではなく紙や建築材、化学原料にも利用されている重要な生物である。本授業では身近な維管束植物の基本構造に端を発して、独立栄養生物としての特徴、独自の成長と発生様式について基礎的なこととともに、最新の研究をトピックスとして紹介する。

基礎形態学実習 (学部3年)  「維管束植物の形態と発生」

維管束植物の形態について顕微鏡を用いてその発生過程を観察します。主にシロイヌナズナを用い,配偶体,胚発生,葉原基形成,側根形成,根端分裂組織(下 図),茎頂分裂組織,葉肉組織,表皮細胞を観察します。また,組織形成に関するマーカー遺伝子の発現を確認することで,遺伝子発現と器官形成を理解しま す。さらに,細胞形態学としてさまざまなオルガネラの挙動を観察します。なお,本実習では全員に蛍光顕微鏡が割り当てられます(下図)。

kougi01
シロイヌナズナ根端で発現するAUX/IAA19遺伝子
基礎形態学実習マニュアル「維管束植物の形態と発生」
download
実習風景
 kougi005-1 kougi005-2
kougi005-3 kougi005-4

形態機能学実習 (学部3年)   「遺伝子発現の時空間解析:重力応答とオーキシン」

lec002s本実習では植物の環境応答について感受、伝達、生理反応の3点から信号伝達系を介した生理反応の理解を目指します。そのために環境因子の一つである重力応答を例にとり、成長制御に重要な働きをしているオーキシンの作用を中心に、(1)重力センサーの一部であるアミロプラストの沈降、(2)オーキシン応答性遺伝子の発現調節、(3)重力応答関連突然変異体での発現異常から,オーキシンがかかわる形態形成と生理応答を理解します。
 データの多くはタイムラプス撮影によって取得し、画像解析技術を習得することが目標です。また,タイムラプスデータの定量解析やパワーポイントを使った効果的なプレゼンテーションを学びます。履修者は自前のPCを使うことを期待しますが、実験室のPC(2台)を共用することも可能です。ImageJをインストールしておいてください。http://rsbweb.nih.gov/ij/

 
形態機能学実習マニュアル「遺伝子発現の時空間解析:重力応答とオーキシン」
download imagej
動画
YOUTUBEムービー (lec-movie1)
lec003
 
YOUTUBEムービー (lec-movie2)
コルメラ細胞のアミロプラストが重力方向に沈降する様子
lec004s

生物科学技術基礎論 (学部4年)

肉眼で観測できる世界は自分が思っているより狭小です。顕微鏡は極小領域を拡大するだけではなく,その極小領域で起こっている生命現象を,様々な方法で可視化することができます。この講義では光学顕微鏡を中心に,顕微鏡の歴史,基礎光学理論と観測レポーターの解説,最新の顕微鏡技術を紹介し,研究に役立つ講義を行います。

システム科学基礎論(大学院生命科学院)

細胞高次機能学特論(大学院生命科学院)