モンゴル人民族集団の集団遺伝学

モンゴルは中国とロシアの間に位置し、人口約240万人からなる国である。モンゴルには約20もの民族集団の存在が認められており、そのうちいくつかの集団については、我々日本人を含む現在の東アジア人集団の形成過程を考える上で、重要な役割を果たしたと予想される。本研究では、モンゴルの4つの民族集団 (Khalkh、Uriankhai、Zakhchin、Khoton) 、および周辺の東アジア人集団について、性染色体のSNPおよびマイクロサテライトを用いた集団遺伝学的解析を行なった。その結果、Y 染色体ハプロタイプを用いた解析から、モンゴルの主な民族集団は、北東アジア地域の集団とよく似た遺伝的特徴を持つことが示された。ただし、モンゴル西部の少数民族集団Khotonで特異的に認められた遺伝的特徴は、モンゴルと中央アジアとの関係も無視できないことを示唆する。また、X染色体のマイクロサテライト連鎖不平衡の解析から、連鎖不平衡を示す染色体の範囲が民族集団により明らかに異なることが確認された。

関連論文


Khoton Mongolian

Y haprogroup

-戻る-
Debian