北海道大学大学院理学研究院 化学部門 液体化学研究室 景山義之

化学反応過程と自己組織化 Systems Chemistry

Financial Supports in 2020

新学術領域研究「発動分子科学」 新学術領域研究「材料離散幾何解析」 運営交付金:研究教育の基幹経費 寄附金

発動分子科学 活動報告

2020.1.16

第2回札幌発動分子科学セミナー開催

これまでの活動はここからリンク

ニュース 2020

2020.5.15

プレスリリース(国内)
<高次複合光応答><発動分子科学>

2020.5.13

プレスリリース(国際)
<高次複合光応答><発動分子科学>

As like as we change dancing style with the melody of music, the crystal change its dance with light polarity. In this paper, the responsive behavior of autonomous molecular-based material is described. This is a story to realize a microrobot that moves with sensing external information and with using a molecular motor.

2020.4.17

博士研究員公募開始 <材料離散幾何解析>

新学術領域研究「次世代物質探索のための離散幾何学」の計画推進に貢献していただける博士研究員を公募します(理論系)。なお、今後、学術研究員(博士ではない方:実験系・理論系)の募集も行う可能性がありますので、ご興味のある方はご連絡をお願いします。

2020.4.1

研究開始 <材料離散幾何解析>

新学術領域研究「次世代物質探索のための離散幾何学」に参画。学際研究をさらに進めます。

2020.3.22-25

学会→誌上発表 <発動分子科学>

日本化学会第100春季年会が中止となりました。小原君・矢崎君の口頭発表予定でしたが、予稿集上での発表のみとなりました。

2020.3.23

成果発表会:中止 <発動分子科学>

日本化学会第100春季年会のコラボ企画として開催予定でした、発動分子科学の成果発表会が中止となりました。

2020.3.19

論文発表(出版前公開) 
<高次複合光応答><発動分子科学>

Chemistry - A European Journal から研究成果を発表しました。発表内容の解説および無料版へのリンクは、後日掲載します。

2020.2.17-20

卒業研究発表・修士研究発表 

源田さんが卒業研究発表を、里永君が修士研究発表を行いました。

2020.1.28-29

学会発表 <発動分子科学>

化学系学協会北海道支部2020年冬季研究発表会で里永慎之介君が口頭研究発表を行いました。

2020.1.15-17

セミナー <発動分子科学>

Raymond Dean Astumian先生をお招きして、発動分子科学セミナーとラボ内セミナーを行いました。

2020.1.9-10

領域会議 <発動分子科学>

矢崎大介君と小原一馬君もポスター発表をしました。

2020.1.8

発動分子科学国際シンポジウム <発動分子科学>

小原一馬君と景山が発表しました。

2020.1.7

国際ワークショップ <発動分子科学>

R. D. Astumian先生を招いたワークショップで、小原一馬君と景山が発表しました。

過去のニュース

ニュース・ハイライト

北海道大学よりプレスリリースを実施  News from Hokkaido University

国際プレスリリース 本文へ (May. 13, 2020)
国内向けプレスリリース 本文へ(May. 15, 2020)
自律運動性材料の、外部情報に応じた継続運動について
Chem. Eur. J. 2020. (2020年プレスリリース)
●何が重要なのか?
(1)人工の分子機械を組み合すことで、情報応答型の自律挙動を示した
(2)(対称性の破れや、観察される運動の特徴に関連して)結晶の構造を解き、その結晶構造と運動発現条件の関連を明らかにしたこと


 自律的に動くことができる動物が、情報に応じて自分たちの運動を変えることができる、ということを考えると、「自律的に運動できる材料は、外部からの情報に応じて自身の動きを変えることができる」というのは、当然のことです。しかし、生物と無生物とを同じように話すことはできません:無生物の物体は多くの場合、自律的に運動ができません。この研究の新しいところは、化学合成でつくった分子(分子機械)を用いて、上記の事柄を実験的に示したところであり、重要なところです。自律的に運動できる材料を作るということが極めて難しかったため、この論文は「人工の分子機械を組み合して情報応答型の自律挙動を示した」という点で世界初の研究となっています。
 この研究では、結晶の中に、自律運動を作り出す分子(モーター)と、情報を受信し変形をアレンジする分子(センサー)がそれぞれ存在することから、情報に応じて多様な立体運動を実現しています。人間に例えるならば、心臓と運動神経がそれぞれ存在することで、多様な運動ができる、というような感じです。もしも自律運動を作り出す分子しか存在しない場合(心臓しか存在しない場合)、情報応答は、速度変化(心拍変化)という形でしか現れなかったことでしょう。
 将来的には、複数の情報を受信し、それらの情報を足し合わせた動きをする、という計算機型の運動を発現できるようになると思います。特殊な実験装置を組む必要があることから、実現するにはもう少し時間がかかる見込みです。

 また、これらの研究の前提にある事柄ですが、エネルギー(本質的に方向性を持たないもの)から、運動(方向をもつもの)をひき起こすためには、対称性の破れが必要です。この論文では、結晶という異方性をもつ構造を利用しているのみならず、その単位構造にも特徴があることを明確にしました。プレスリリース中では、「結晶の中では,それぞれ異なる方向を向いた六個 のアゾベンゼン分子が一組を形成し,その組が整列していました。」と表記した点は、六個の分子が空間群P1という対称性のない配置で整列していることを意味しています。これは、とても柔らかい結晶で計測が難しいにもかかわらず、単結晶X線構造解析に成功したことで分かりました。さらには、結晶の柔らかい場所と固い場所、そこにある分子の向き、などを明らかにできたことで、どの分子がモーターとして働き、どの分子がセンサーとして働いているか、を示すことができました。このことが上述の「情報応答型」の挙動の実現につながっています。

Angew. Chem. Int. Ed., 55, 8239-8243, 2016. (2016年プレスリリース)
●何が凄いのか? 何が重要なのか?:マイクロメートルスケールの大きな動きを続ける材料を作った点
 この研究が出版された数カ月後、「分子マシンの設計と合成」の研究に対して、ノーベル化学賞が与えられました。ナノメートルというとても小さい分子が、機械のように構造を変えるという点が、これらの研究のポイントです。特に「分子モーター」は、動き続けることができる機械として注目されました。一方で、これらの分子が、機械のように働くか、と問われると、簡単な話ではなくなります。そのことは、小人が巨人を動かせられるのか、ということをイメージすれば分かっていただけると思います。なお、「働く」とは中学校の理科で教わる通り「エネルギー変換をする」ということです。また、「一回きりの使い捨て」的なエネルギー変換(例:使い捨てカイロ)ではなく、エンジンやモーターが燃料を運動エネルギーに変えるような、継続的にエネルギー変換するものを意図しています。
 実際に働く分子マシンを作ろうと思うと、大きな分子マシンを作る、あるいは分子マシンを集めて大きくする、ということが考えられます。私たちは、後者の、分子マシンを集めて大きくする研究をしています。
 しかし、機械のように動く分子を単に集めただけでは、働かなくなってしまう、ということが知られています(熱力学第二法則)。これに対して、この研究では、分子を集めて束ねているにもかかわらず、動き続ける現象を実現しました。
●何が実現のための鍵だったの?
 「光異性化反応」と、それに引き続いて起こる「相転移」とを組み合わせることができた点です。
●似た研究との違いは?
(1) 「刺激応答性材料」といわれる種々の材料があります。これらは、環境変化に応じて材料の形状が変わります(そういう意味で「刺激応答性材料」という命名は学術的には微妙です)。ゆえに、動かし続けるためには、環境変化を繰り返し行う必要があります。これに対し、私たちの研究は、定常的な環境で動き続けることができます。
(2) 生体内にある分子を利用するならば、動き続けるものを作ることができます。有機合成でつくった小さな分子で動き続ける現象を実現したことで、産業的な魅力が高まります。

Tackling Global Issues Vol.1 — Soft Matter: Material of the Future

北海道大学国際広報誌[Tackling Global Issues]の初刊にて、研究紹介をしています。

出版元:北海道大学

記事へのリンク:https://issuu.com/hokkaidouniversity-gro/docs/soft_matter-material_of_the_future/34

Asia Research News 2017 —Ever-shrinking robots

アジア・オセアニア地域の研究成果プレスリリースの中から、私たちの研究成果が"Asia Reserach News"の記事としてピックアップされました。

出版元:researchSEA

記事へのリンク: http://issuu.com/asiaresearchnews/docs/arn-2017_issuu_med-high/7

Spotlight on Research 2016-2017 Hokkaido University

北海道大学の英文広報誌を通じて、私たちの研究成果を紹介します。

出版元:北海道大学

記事へのリンク:http://issuu.com/hokkaidouniversity-gro/docs/web___1-28p/16


研究概要

研究対象

 水中で集合・集積した分子が「化学反応過程」によって「動く」ことによって協同的に発現する「動的な機能」を研究対象にしています。

 人類はこれまで、金属や樹脂でできた部品を組み立てて、動く機械を作り上げてきました。
 しかし、生物のように「分子を組み上げて動きを作り出す」ことは、まだ十分にできていません。

 私たちのグループでは、ナノレベルからミリメートルレベルまでの各種大きさの分子集合体について、その動きを創出する研究を行っています。2016年のノーベル化学賞の分子マシン研究より、数桁大きいスケールの動きを作り出し、「実践的『超分子マシン』研究」の金字塔を建てることを目指しています。

現在の研究テーマ(2020年度)

・分子の構造変化により惹き起こされる、分子集合体の自律運動の合成化学的創出

・動的核分極NMRを用いた分子集合体と水分子との相互作用の解明

関連分野―融合領域の科学を実践的に行っていきます

基本となる学術分野

生体模倣化学・超分子化学・有機反応化学

創出のための学術分野

有機化学(構造有機化学・有機合成化学)・複合化学(錯体化学・ホストゲスト化学)

機構解析のための学術分野

有機化学(有機反応化学・有機光化学)・物理化学(光化学・分析化学・コロイド界面化学・構造化学)・高分子科学(高分子化学)

モデル化のための学術分野

数理科学・計算化学

背景理解のための学術分野

超分子科学・高分子科学・分子細胞生物学・生物物理学・複雑系物理学

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