最近の十勝地方北部の地震活動(1999年9月)


北海道中央部大雪山系南部に位置するこの地域は、1988年十勝岳の噴火が起こった時と同時期に群発地震活動が発生した。ここでは、1999年の地震活動の特徴について示した。
地震回数分布を見ると5/30には、1995年からの活動でも2番目に多い回数を観測した。今年1年間の回数分布を見ると、主に2回の群発活動期があったことが分かるが、いずれの時期(5月29日から5月30日8月4日から8月6日)も今まで発生していた震源域を外れた丸山の南東5kmの所で発生した。また、9/18にはM3.1の地震が発生し、札幌管区気象台の聞きとり調査ではトムラウシ地区(震源分布のTMUのところ)で有感であった。この地震の震源は、今年発生した2回の群発地震の震源域とは違い、トムラウシ地区の西側6kmのところで発生した。この地震は単発で、群発的に地震が発生するようなことはなかった。この地震のメカニズム解を求めたが、正断層型であった。

幌加(HRK)観測点で観測されたこの地域で発生した地震回数
1995年1月から1999年9月
1999年1月から9月
震源分布
1995年1月から1999年9月
1995年1月から1998年12月
1999年1月から1999年9月
1999年の特徴的な活動
5月16日から5月22日
5月29日から5月30日
8月4日から8月6日
8月18日
時系列分布
緯度方向に投影した時系列分布
経度方向に投影した時系列分布
幌加(HRK)観測点で観測されたこの地域で発生した地震のS-P時間の分布
1995年1月から1999年9月
この地域で発生した地震の幌加(HRK)観測点で観測された波形振幅から求めたM-t分布
1995年1月から1999年9月
9月18日に発生したM3.1の地震のメカニズム解