2019年度 博士研究員の公募について
Seeking a postdoctoral researcher in 2019
公募要領
JREC-INを通じて公募を行っています。
JREC-INに掲載できていない情報を、こちらのページでお知らせ致します。
求人内容 および 待遇
新学術領域研究「発動分子科学(Molecular Engine)」にかかわる実験系の研究、および同プロジェクトに直接関連する諸業務、を行う博士研究員を1名募集します。適任者不在の場合は、採用を見送ります。
着任時期は2019年10月1日を予定しています。実際の着任日については相談して決めたいと思います。
北海道大学の専門業務型裁量労働制を適用します。週5日、一日7時間45分が標準勤務時間になります。諸手当、年次休暇、福利厚生等も大学の規定通りとなります。なお、諸々の規定は「休日に図書館に行く」などの「自己研鑽」行為を妨げるものではありません。一方、土日祝の勤務を受入研究者が依頼する場合には、代休を取得して頂くか、超過勤務手当を支給するか、のいずれかを行います。(追加説明)
給与は当初月給30万円(弊学特任教員等基本年俸表の号数1)を予定しています。業績評価や職務内容次第で昇給があります。基準は採用時に明示するように努力します。(追加説明)
任用期間は年度末を期限とする一年以内とします。当初契約は2020年3月末までとなります。業績評価の上、最長で2023年3月末まで契約を更新可能です。新学術領域研究の若手研究者育成の視点や、プロジェクトの計画遂行のためにも、1年半以上、継続して活躍して頂くことを期待しています。
試用期間の一か月は、弊学契約職員就業規則第十条によるものです。
研究室内・研究室所属組織内での交流活動には参加してください。イニシアティブを発揮していただけると、なお良いでしょう。左記にかかわる活動費の私費での負担をお願いします。(組織内での活動の例:理学研究院化学部門には、雑誌会と呼称される福利厚生の仕組みがあり、野球大会などのイベントが開催されます。雑誌会の年会費、イベントの参加費の支払いに加え、実際に参加して頂きます。)
プロジェクトに直接関連する諸業務(事務作業)は、消耗品の発注・納品検収などの業務、出張申請業務などが該当します。この業務ができる程度の日本語能力を求めます(外国籍の方の応募も歓迎します)。
応募資格 および 求める人
- 新学術領域研究「発動分子科学」の趣旨を理解し、その学術を開拓していく意志を有していること。
- 研究者としてふさわしい倫理感を有していること。
- 研究成果の社会への説明に積極的であること。
- 採用日までに博士の学位を有していること。
- 右にあげるいずれかの分野やスキルについて、経験を有していること。有機合成、高分子科学、液晶科学、分析化学、統計熱力学、流体力学(レオロジー)、非平衡物理学、非線形数理科学、化学物理、計測機器等の製作(機械/電気電子工学)。
1. 発動分子科学について
発動分子科学は、融合科学の視点から、分子の動きと力学機能の関係を解き明かし、応用していくことを目指している研究領域です。受入研究者は「B01-2 発動分子素子の階層化による自己秩序機能の創出」の研究課題に参画しています。この計画は、既に力学的機能を発現できることが知られている「生体分子モーター」を用いたパターンダイナミクスの発現と、力学的機能発現自体が課題となっている「人工分子」を用いたマクロダイナミクスの発現の二つを目指したものであり、受入研究者は、その後者を担当しています。つまり、有機化学・超分子化学をベースにした実験研究を行っています。プロジェクトの趣旨は、発動分子科学のウェブページや、過去の公募研究の公募要領などを参考にしてください。
なお、微視的領域での力学や、時間の非対称性が関与するこのプロジェクトは、構造有機化学や錯体化学など合成系研究者が得意としてきた分子機械研究ではなく、非平衡力学に根ざしたアプローチであると、受入研究者は捉えています。「散逸構造論」の実験的アプローチとも言えるかもしれません。故に、実験化学者のみならず、「ボーズ=アインシュタイン凝縮を研究してきた」などといった、受入研究者が理解しきれない背景を持つ研究者の応募も歓迎します。
学際融合型の研究プロジェクトであり、異分野を専門とする研究者と議論する機会には恵まれると思います。
4. 学位について
学位取得の見込みが立たない場合、あるいは、結果として学位取得ができなかった場合、職種を「学術研究員」あるいは「技術補助員」とした契約も可能です。応募書類の特記事項欄に記載の上、ご相談ください。
5. これまでのスキルについて
自身がお持ちのスキルを活かす一方で、受入研究者のグループで、新たなキャリアを積む、という姿勢で、研究活動に臨んで頂けると幸いです。なお、採用者の専門分野如何を問わず、研究は、実験化学を基軸に推進します。
採用指針
「受入研究者(景山義之)のプロジェクト運営計画に候補者が適合するか否か」が、最重要な採用基準になります。この指針は、応募者の研究能力とは比例しません。
前項に記した「社会への説明に積極的であること」については、採用基準に大きく寄与します。
採否決定にあたり、応募書類に加えて情報を求めたり、面談を求める場合があるかもしれません。
応募書類
提出書類は、以下の通りです。それぞれ後述する注意事項に従って作成の上、提出してください。
- 送付状
- 履歴書(別添様式)
- 現在までの研究についての解説
- 将来の研究者像についての説明
- 論文別刷りと、その論文についての説明
- 著作物および研究発表のリスト
- 特記するべき事項がある場合、その説明
- 推薦書
1.送付状
連絡の取れる応募者の電子メールアドレスと、現在の上司(指導教員)の氏名・職名・連絡先(電子メールアドレスと電話番号)を必ず記載してください。電子メールで応募する場合は、これを本文とし、履歴書以降を添付ファイルとしてください。また、送信アドレスと連絡先のアドレスが一致するようにしてください。
2.履歴書
本学所定の履歴書様式を下に示します。採用時には当該様式の履歴書を提出することを求められます。一方で、応募に際しては、必要事項の記載があれば別様式でも問題ないほか、電子メールで応募する場合は氏名の自署も不要です(郵送の場合は、自署または捺印をお願いします)。
任意の様式を使う場合の必要事項は
記載日・氏名(ふりがなも)・生年月日・居所の現住所と電話番号・現在の所属先の住所と電話番号・国籍・学歴・学位(取得見込みの場合その詳細も)・賞罰・職歴・写真(追加説明)
です。
注意事項として
「北海道大学への在職経験がある人は、その職歴を漏れなく記載すること」
が人事担当部署より求められていますので、ご協力ください。
3.現在までの研究についての解説
A4サイズ用紙、1~4枚で作成してください。研究内容とともに、応募者の研究に対する視点、理解度、他者に対する説明能力を測ります。少ない文量での提出を歓迎します。但し、必要な内容が記載されていることが前提です。なお、読み手は受入研究者であり、応募者の専門領域とは異なる研究を行っているとお考え下さい。
4.将来の研究者像についての説明
これまでの研究、「発動分子科学」での研究を経て、次のステップとしてどのような研究をしていき、どういう研究者になりたいか、短くて良いので記載してください。(A4サイズ用紙1枚以内。100字程度でも可。)
5.論文別刷りと、その論文についての説明
論文別刷りは以下の2編以内とします。
A) 応募者が著者に加わる出版物の中で、最重要と考える論文
B) 応募者が主体となって記述した論文
なお、A,Bが同一の論文であれば、1編だけで送付してください。
論文の説明(100~400字)は、応募者自身が考える論文の学術的意義を説明してください。この説明は、論文に記載した主張内容と一致しなくても構いません(共著者との兼ね合いや、査読過程で、自身の主張を通せない場合もあります。今回の公募では、応募者自身の考えをお聞かせください。)。
Aに該当する論文については、応募者の役割についても説明してください。
また、学位未取得で、報文がない方は、送付不要です。学位取得済みで投稿論文がない方は、博士論文の写しを送付するとともに、その説明を添付してください。
6.著作物および研究発表のリスト
既発表の物について、Researchmapなどにリストが掲載されている場合は、その旨を記して頂ければ、履歴全てを掲載したリストの作成・提出は不要です。
特に重要な報文・発表については、その旨を示すとともに、その理由を説明してください。
応募時点で未発表であっても、決定している著作物・学会発表は、記してください。
7.特記するべき事項がある場合、その説明
産休・育休等のライフイベントが予定されている場合、障碍やアレルギーなどがあり受入環境について希望・要望がある場合、などは必ず明記してください。雇用にふさわしい研究者であれば、受入環境整備に尽力します。なお、女性研究者のライフイベントに対する諸支援制度が、北海道大学にはありますので、参照してください(女性研究者支援室)。
また、特技、趣味などの記載も歓迎します。研究に直接関係なくても、野球やスキーが得意な人は、共同研究者のハートを掴みやすいので、若干有利に働くかもしれません。アニメ作成や動画編集を得意とする人も歓迎です。応募者が得意とする研究技術についての説明も歓迎します。英語のみならず、中国語で科学コミュニケーションができる、というのも、現状、極めて高い能力かなと思います。
8.推薦書
できるだけ、添付した論文別刷りの共著者(責任著者)に、推薦書を作成して頂いてください。推薦書は、応募書類と別送でも構いませんし、封をした上で他の応募書類と同封して送って頂いても構いません。電子メールで応募する場合は、推薦者から直接メールを送付して頂くよう、お願いしてください。記載して頂きたい点は次の3点です。
- 「○○○○博士を貴グループの博士研究員に推薦する」の一文(人物説明は不要です)。
- 応募者が添付する別刷り論文における、各著者の貢献内容の端的な説明(応募者の説明と相違があっても良い)。
- 推薦者の氏名、職、連絡先
なお、責任著者に推薦書を書いて頂くことがふさわしくない場合などは、別の方に作成して頂いても構いません。その場合は、上記の1と3に加え、応募者との関係の記載もお願い致します。
応募書類提出先・問合せ先
電子メールで応募する場合
宛先:y.kageyama @ sci.hokudai.ac.jp スペースを消去してください。
件名:博士研究員応募(氏名)
(in English) Subject of the mail should be ME-Postdoc Application (Your Family Name).
郵送で応募する場合
宛先:〒060-0810 北海道大学理学部7号館 液体化学研究室 景山義之
(in English) Dr. Yoshiyuki Kageyama, Condensed Matter Chemistry Laboratory, Hokkaido University, Sapporo 060-0810 Japan
追跡できる方法での送付をお奨めします。
郵送物を受け取り次第、メールにて連絡を差し出すよう、努めます。
海外から郵送の場合は、7月15日までに航空便で差し出してください。
重要な日程
・7月31日 応募書類提出締切(消印有効(国内からの場合))
・8月中旬~下旬 審査結果報告(審査が遅れている場合は、このページにて告知します。)
・10月1日 着任(具体的な日程は応相談)
様式ダウンロード
履歴書様式 上記の通り、応募時はこの様式でなくても構いません。
補足情報
公募当初からの追加情報
注意事項 1
受入研究者について、ある程度、理解した上で応募してください。多くの化学者とは違う思想があります。
例えば、多くの公募では、応募書類に「業績リスト」を求められていると思います。しかし本公募では「業績」という記載をしておりません。科学者の業績は「論文」ではなく「社会に何を与えたか」であり、その質と量(意義深さ、新しさ、正確性、普遍性など)が科学者に対する評価軸であると考えています。
注意事項 2
札幌での生活について。冬は寒く、積雪もあるので、研究場所から徒歩通勤可能な範囲(遠くても2キロメートル圏内)に居住してください(実質、職務命令です:ご親族と同居する場合は別途相談致します)。なお、1キロメートル圏に居住されることをお奨めします。家賃5万円未満でも一人暮らしには十分な賃貸住宅があります。光熱水道費は(生活習慣や設備によりますが)冬場で2万円程度と見積もってください。
注意事項 3
受入研究者もアカデミックポジションにアプライしなくてはいけない立場にあります。受入研究者の異動に伴い、勤務地(雇用主)を変更して頂く可能性があります。現時点で決定している事項はありません。
注意事項 4
応募書類は返却いたしません。
受入研究者の公開講演予定
本公募期間中に、受入研究者は、下記の講演会等で講演します。それぞれ内容は変わりますが、興味があればご参加ください。
6月29日 分子モーター討論会(国立遺伝学研究所(静岡県三島市))
7月2日 高分子学会中四国支部 高分子研究会(鳥取大学(鳥取市))
7月3日 島根大学(詳細未定)
7月4日 広島大学(詳細未定)
FAQ・問合せを受けての返答
待遇について:6月12日追記
大学における研究者の勤務時間の考え方は、まだ確立されていないような気がしています。その点については、ご理解ください。
待遇について:6月12日追記
弊学の「特任教員等基本年俸表の号数1」は月給30万円、「号数2」は月給34万円、「号数3」は月給38万円と定められています。考え方にも依りますが、社会保険への加入の有無や諸手当を含めると「号数2」で「学術振興会特別研究員」より高い収入になるのではないかと思います。「号数1」に超過勤務手当などを含めると「学術振興会特別研究員」同等の収入になると考え、号数1からの開始として募集しています。
提出書類について:6月12日追記
写真はデジタルデータを貼り付けたものでも構いません。本人であることが明確なものであれば、応募段階では、ポートレートライクなものでも大丈夫です。
追記情報が入り次第、更新します。