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地震に関すること 火山に関すること 津波に関すること その他
質問と回答

Q40. マグマが爆発的に噴火した際、マグマは最大どこまで流れるのですか?

A. 噴火には様々な形態がありますが、最も爆発的とされるカルデラを形成する噴火の場合ですと、半径数10キロメートル程度の範囲にまで火砕流という形でマグマが到達することがあり得ます。例えば、支笏湖のカルデラができたときの大噴火では、火砕流が札幌市まで来ています。そのときの火砕流堆積物が高温と自重により固まった岩石は、開拓時代に札幌軟石として建築物に多用されました。シュレックさんもご覧になったと思いますが、博物館の展示スペースにあった石の腰掛けは、その札幌軟石を使ってつくられたものです。また、2010年にアイスランドの火山で起こった中規模の爆発的噴火のような場合ですと、火口から3~5キロメートルの範囲に灼熱したマグマの塊が飛散する可能性があり、マグマが細かく砕かれて噴煙として放出された火山灰は、上空の風に乗って数100キロメートルも流れていくことがあります。なお、マグマが爆発で粉々になって飛散するのではなく、連続した溶岩流として流れていく噴火であれば、冷えて固結するまでに10キロメートル程度の距離までは到達することがあります。

(火山活動研究分野・橋本武志 2014年6月20日)