Q and Aのページに戻る

カテゴリー:

地震に関すること 火山に関すること 津波に関すること その他
質問と回答

Q5. 地殻が移動したことによりマグマの出口が塞がれ、火山性の爆発が起きる可能性はないのでしょうか?

A. 地震と火山が短い時間間隔で相次いで起きた事例は幾つか知られています。1707年の東海・南海地震(M8.4)の49日後に発生した富士山大噴火や、1914年の桜島大正大噴火開始から約9時間後に発生した桜島地震(M7.1)は、我が国で実際に起こった有名な連動現象です。しかし、なぜ地震と噴火が連動するのかは、科学的に十分解明されている訳ではありません。噴火開始の条件には、様々な要素が複合的に関係していると考えられていて、地震発生によってある要因は弱まり、他の要因は強まったりして、どちらの要素がより大きいかの判定は複雑で、噴火予測は難しいのが現状です。しかし、ご質問のように「地殻が移動してマグマの出口が塞がれて、火山の噴火が発生する」という考え方はありません。例えば、地震をきっかけに地面の隆起や水平移動などが生じますが、同時にマグマ溜まりに働く周りからの力も変化するため、マグマが上昇しやすくなるメカニズムなどが学説として提案されています。ただし、まだまだ発展途中の学問分野であり、予測手法を確立するにはさらなる研究の積み重ねが必要です。(火山活動研究分野・村上 亮)